住む場所の決め方を教えてほしい!後悔しない土地の見極め方を解説

住む場所は、何を基準にしてどのように決めればよいのでしょうか?「良さそうな土地があるけれど、本当にここに決めて大丈夫か」と迷う人もいるかもしれません。

これからずっと住むことになる土地、妥協して決めたくはありませんよね。

この記事では、住む場所や購入する土地の決め方を、「暮らす人の視点」から解説します。エリアの決め方や土地条件の見定め方、条件のおり合わせ方なども紹介しました。

記事を参考に、ぜひ希望の家が建てられる理想の土地を見つけてください。

住む場所は「30年後」を見据えて決めるのがコツ

住む場所は「30年後」を見据えて決めるのがコツ

現代はライフスタイルが多様化し、住む場所の流動性も高くなっています。しかし「土地を買って家を建てる」のは、ある程度腰を落ち着ける気持ちがあるからこその選択です。

住む場所を決める際は、10年、20年と同じ土地に住み続けるという前提を忘れ無いようにしましょう。できれば「30年後」を見据えて決めると安心です。

10年のうちにお子さんの通学が始まり、20年経てばお子さんも独立します。30年、自分たちがシニアになった後も快適に住み続けられる場所なら、安心して家を建てられるのではないでしょうか。

住む場所の決め方は30年後を見越すこと。

このコツを押さえながら、土地の探し方を詳しく見ていきましょう。

住宅購入の第一歩!住む場所の決め方

住宅購入の第一歩!住む場所の決め方

住宅を建てる場所を決める際、外せない観点が3つあります。

  • 職場や学校へのアクセス
  • 買い物など日常生活の利便性
  • 病院、社会サービス機能との距離

それぞれ、どのような点に気を付ければ場所選びの失敗を避けられるのか、解説します。

職場や学校へのアクセス

毎日通う職場・学校、最寄り駅へのアクセスは、何より重要なポイントです。ただし距離や近さだけで選ぶと、失敗するケースもあります。

「職場までは近いが、道路が一方通行で毎朝ものすごく混雑する」
「駅に近い場所を選んだが、家の前が通勤・通学路。毎朝騒がしくて落ち着かない」

反対に、予算などの問題で遠い場所に決めると、通勤・通学の時間が負担となります。

職場や学校などへのアクセスは、「距離・交通手段・道路状況・所要時間」の4つのポイントから総合的に見ると失敗を防げます。

買い物など日常生活の利便性

候補地周辺に、日常生活に欠かせないお店が充実しているかも確認しましょう。また距離や道路状況も確認します。

とくに以下の5つは、日々の生活に欠かせない店舗です。

<間取りの意見相違例>

  • スーパーマーケット
  • コンビニエンスストア
  • ホームセンター
  • ドラッグストア
  • 子ども用品店

通販やネットスーパーも利用できるとはいえ、近隣に実店舗がある利便性はまだまだ大きいです。お子さんが保育園や幼稚園に通い始めると、「明日、〇〇が必要!」など急な物入りも増えます。子供用品店が近くにあると、いざという場合にも安心です。

病院、社会サービス機能との距離

社会サービス機能にアクセスしやすいかどうかも、要チェックです。候補地周辺に次の施設がそろっているか、確認してみてください。

<間取りの意見相違例>

  • 病院(クリニック、大規模病院)
  • 自治体の相談窓口(市役所、保健センターなど)
  • 公園など子どもを遊ばせられる場所
  • 博物館・科学館・美術館など

いま必要なサービスと、30年後に必要になるサービスとは異なります。将来を見越し、できるだけ便の良い場所を選ぶと後悔が少なくなります。

また遠方へのお出かけが多い家族なら、新幹線の駅や高速道路のインターチェンジが近いことも重要かもしれません。ライフスタイルも踏まえ、最適な住む場所を見つけましょう。

住む場所が絞り込めたら土地探し!チェックポイント6つ

住む場所が絞り込めたら土地探し!チェックポイント6つ

住む場所、つまりエリアが絞りこめたら、いよいよ土地探しです。希望条件に合う土地を見つけるには、次の6つのポイントから比較しましょう。

  1. 面積
  2. 価格
  3. 道路状況
  4. 周辺環境
  5. 日当たり
  6. 日中と夜間、平日と週末の違い

それぞれのチェックポイントを詳しく解説します。

1. 面積

初めての土地探しでは、どれくらいの広さが適正なのかわからず悩むケースが見られます。まず平均的な住宅用土地の面積を把握しましょう。

鹿児島県の調査によると、「一戸建て住宅1軒あたりの敷地面積平均は311.97㎡」とわかっています。参考までに、全国平均は259.68㎡です。

1. 面積

引用:平成30年住宅・土地統計調査結果の概要(全国及び鹿児島県分)|令和2年3月31日 鹿児島県企画部統計課

土地面積は「坪数」「平方メートル(㎡)」のいずれでも表記されますが、価格は「坪単価」で示すのが一般的です。広さの感覚をつかんでおきましょう。

  • 1坪=約3.30578㎡
  • 1㎡=約0.3025坪
  • 1(帖)=1.548㎡(江戸間)

鹿児島県の戸建住宅の平均敷地面積311.97㎡は、坪数に直すと約94.37坪です。90~100坪(297~330㎡)ほどの土地なら平均的と言えるでしょう。

ただしこの統計には、昔ながらの敷地が広いお宅も含まれています。コンパクトな暮らしが人気の近年、流通する分譲地の広さは鹿児島市内で35~60坪(115.7~198.35㎡)程度が多くなっています。

2. 価格

一般的に、土地代は注文住宅を購入する予算の25~30%が適正といわれます。予算が4,000万円なら、土地代に充てられるのは1,000~1,200万円が目安です。

一方、土地の価格(坪単価)はエリアによって幅があります。鹿児島県の例を見てみましょう。

地区坪単価
鹿児島市19万円/坪
日置市5.3万円/坪
指宿市6.6万円/坪
鹿屋市4.5万円/坪
南さつま市5.5万円/坪
霧島市6.3万円/坪
志布志市4.3万円/坪

※ 参考:鹿児島県の土地価格相場情報|suumo

※ 2022年10月調査時点

鹿児島市内で、総予算4,000万円・土地価格1,000~1,200万円で家を建てたい場合、52~63坪の土地が適正という計算になります。

土地ごとの坪単価を見比べ、予算内に収まる土地を探しましょう。

3. 道路状況

土地選びでは、道路の位置と幅にも注目します。

◎ 道路の位置

土地のどの方面に道路があるかによって、間取りが変わります。

  • 南側に道路:南側にスペースが確保できるため日当たりが良い。
  • 北側に道路:家の南側(開口部)を人が通らないため、人目を気にせず済む。
  • 東・西側に道路:駐車スペースの配置自由度が高く、間取りのバリエーションが増える。

◎ 道路の幅

消防などの観点から、土地に接する道路の幅は4m以上必要です。道路幅が6mあれば、大きめのファミリーカーも余裕を持って出し入れできるでしょう。

もし道路幅が4mに満たない場合は、道路の中心線から2mの位置まで敷地を下げる「セットバック」が必要です。セットバックが必要かどうかは、不動産会社に確認してください。

4. 周辺環境

通勤・通学の利便性や買い物のしやすさに加え、以下の周辺環境もチェックすると安心です。

  • 周辺にある建物(工場や倉庫が近いと騒音の可能性も)
  • 土地に至るまでの道路状況(傾斜が大きいと出入りが大変になる)
  • 隣家との距離(接近しすぎると生活音に配慮が必要な場合も)
  • 自然環境(自然が多いと静かだが、害虫・害鳥の心配も)

理想どおり100点満点の土地は、なかなか見つからないものです。「これだけは譲れない」優先順位を決め、できるだけ満足度の高い土地を探しましょう。

5. 日当たり

日当たりは土地の向きや周辺環境によって異なります。更地ではよく日が当たるように見えたのに、実際住み始めると思っていたほどではない、となるケースも少なくありません。

日当たりの良い家を建てるには、「その土地に家を建てたら、どの方角を向くか」を考えます。南側に広く開口部をとれそうなら日当たりが期待できますが、東・西に向く家は日中の日当たりは少なくなります。ただ、朝日が入り込み気持ちの良い朝を迎えられるのは、東向きです。

好みのライフスタイルを思い浮かべ、最適な向きを検討しましょう。

また南向きの家を建てても、目の前に住宅が建つと日当たりは悪くなります。日当たりの良い家を維持するには、南側隣家との距離を確認しましょう。南側に6mのスペースを確保できると、日射角度がもっとも低くなる冬至でも十分採光できます。

6. 日中と夜間、平日と週末の違いもチェック

住み始めてから「こんなはずでは」と後悔しやすいのが、生活シーンによる周辺状況の変化です。とくに「日中と夜間」「平日と休日」の変化は入念にチェックしましょう。よくある失敗例を紹介します。

<間取りの意見相違例>

  • 「仕事の都合で休日にしか下見に行けなかった。住み始めてから、目の前の道路が通勤路になっており、平日の人通りが非常に多いことが気になった」
  • 「平日は静かで落ち着いた環境だが、週末になると通りを挟んだ公園に人が集まる。イベントが催されることもあり、週末の騒がしさに辟易する」

馴染みのない土地の場合はとくに、時間帯や曜日を変えて何度か下見に行くと失敗を防げます。

住みたい場所に希望通りの家が建てられるかも確認

住みたい場所に希望通りの家が建てられるかも確認

条件に合いそうな土地が見つかったら、その土地に希望通りの家を建てられるか確認しましょう。土地にはさまざまな制約があり、形状や面積によっては理想の家が建てられない場合もあるためです。

土地の契約前に必ずチェックしておきたい、以下の2点について解説します。

  • 建ぺい率・容積率
  • 用途地域

建ぺい率・容積率

土地には、建てられる家の大きさを定める「建ぺい率・容積率」という規制があります。

建ぺい率敷地面積(土地の面積)に対する建物の面積(建物を真上から見たときの面積)の上限
「建築面積 ÷ 敷地面積 × 100」で計算。
容積率敷地面積に対する延べ床面積(建物の床面積の合計)の上限。
「延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100」で計算。

「50坪の土地を買い、面積を目いっぱい使って50坪の家を建てる」ことはできません。建ぺい率は最大でも80%と決まっているからです。

建ぺい率ごとに建てられる家の大きさを見てみましょう。

建ぺい率建てられる家の大きさ
30%15坪
50%15坪
60%25坪
80%40坪

一方、容積率は延べ床面積に対する規制です。

例を考えてみましょう。

建ぺい率30%の土地に15坪の家を建てれば、問題はないかもしれません。では15坪の家が10階建てだったら?周辺の住宅は日当たりが悪くなり、景観上の問題も出てきます。

また居住可能な人数も増えるため、上下水道や電気の使用量も増え、インフラの処理能力をオーバーしてしまうかもしれません。

こうしたトラブルを防ぐために、容積率が定められています。

建ぺい率と容積率は土地ごとに決まっています。不動産会社に問い合わせ、その土地に希望通りの家が建てられるかかならず確認しましょう。

用途地域

用途地域とは、土地の使い方を定めた規則です。都市計画に合わせて13の用途地域指定があり、地域ごとに建てられる建物の種類や高さ、使い道が決まっています。

用途地域は、大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分けられます。商業系や工業系の用途地域でも住宅は建てられますが、周辺に大規模商業施設や工場がつくられる場合もあるということです。

一方、住居系は暮らしやすさを重視されますが、建築制限がつく場合もあります。

用途地域は住居の周辺環境や生活利便性にかかわる項目です。建てられる家の許容範囲を確認しつつ、周辺の様子をよく見てみましょう。

土地条件が悪くても建築の工夫で快適に暮らせることもある

土地条件が悪くても建築の工夫で快適に暮らせることもある

「周辺環境や立地は問題ないが、細かな点の条件が良くなく決めきれない」などの悩みに直面する場合もあるかもしれません。とくに多いのは、「土地の形状・傾斜」や「面積」です。

ただし、一見条件が良くないように見える土地も、家の建て方を工夫すれば快適に暮らせる場合もあります。条件が良くない土地は価格が安いケースが多く、建物に予算を振り分けられる点も魅力です。

条件が良くない土地で快適な生活を手に入れるコツを解説します。

変形地、傾斜地

変形地とは、四角形ではなくいびつな形をした土地をいいます。分譲地はきれいに区画割りされているケースが多いのですが、分譲地以外だと三角形や五角形、台形、細長い形状、旗竿地(旗のような形の土地)もあります。

また土地の中で勾配がある傾斜地も売られています。

変形地や傾斜地は規格住宅が建てにくいため、建築にあたって一工夫が必要です。一例を紹介しましょう。

土地の形状使い方の工夫メリット
細長い土地玄関を中央に配置する細長さを感じさせない
一部が欠けた土地あえて凹凸のある家にするプライバシーを確保しやすい
三角形の土地収納で斜辺を構築する斜めの壁を採用せずに済む
傾斜地高低差を利用しスキップフロア
・地下スペースをつくる
家全体の開放感がアップする

変形地や傾斜地は、四角い土地ではできない面白い間取りの家がつくれる点が魅力です。建築士など、規格住宅ではない家の設計に長けた人に相談し、自由設計を楽しみましょう。

狭小地

狭小地とは、敷地面積が15~20坪の狭い土地を指します。土地が少ない都心に多く、建ぺい率の関係もあり、建てられる家の大きさはさらに小さくなります。

狭小地に家を建てる場合は、狭さを感じさせない間取りや3階建てにして部屋を確保するなどの工夫が必要になります。

狭小地に家を建てる際におすすめの工夫を紹介しましょう。

工夫メリット
吹き抜けをつくる天井高が上がり、開放感が生まれる
水回りを集約する家事動線が短くなり、効率が上がる
デッドスペースは収納に収納スペースを居室に充てられる
水回りを2階以上に配置ワンフロアをリビングとして広く使える

狭小地に建てる住宅は、「掃除がしやすくコンパクトに暮らせる」「家族の距離が近くなる」などのメリットがあります。

住む場所にこだわる人こそ、木のんホームが土地探しからお手伝いします

住む場所にこだわる人こそ、木のんホームが土地探しからお手伝いします

住む場所を決め、土地探しをするのは、簡単に終わる仕事ではありません。希望に合う土地を見つけるまで、何度も現地に足を運ぶ必要があります。

初めて住むエリアなら、なおさらです。時間帯や曜日を変えて下見に行き、職場や学校へのアクセスや周辺環境をチェックする必要があるからです。

大変な土地探しこそ、土地に詳しいプロの手を借り効率良く進めましょう。

鹿児島の土地探しなら、木のんホームにお任せください。鹿児島に拠点を構えて40年以上、鹿児島を知り尽くしています。希望条件に合う土地を、かならず見つけます。

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まとめ

土地は、家づくりを左右する重要要素です。理想に合う良い土地と出会えれば、希望通りの家が建てられる可能性がぐんと高まります。

土地探しは、エリアや立地、面積などの希望条件に加え、建ぺい率や容積率もチェックしましょう。用途地域も理解しておくと、近くに工場や大規模商業施設が建つといった想定外も防げます。

もし希望のエリアにある土地が変形地や狭小地だった場合は、まずは工務店や建築士に相談しましょう。設計を工夫し、思ってもみなかった快適な家が建てられる可能性もあります。

この記事を書いた人

admin2021