日当たりが良すぎても後悔するって本当?失敗談や対策を解説

土地や家探しで重視する条件として「日当たり」を挙げる人は大勢います。

しかし日当たりは良すぎても後悔につながるということは、ご存知でしょうか。実際、SNSには「日当たりが良すぎて暑い」「日差しのせいで室内があっという間に日焼けした」といった失敗談が寄せられています。

では日当たりが悪い家が良いかというと……、それはそれで不安を感じる人が大半でしょう。

そこで今回の記事では、住宅の日当たりが良過ぎるケース・良くないケースに関してメリットやデメリット、意外な効果を客観的に比較します。

「日当たりが良い=条件が良い」とはかならずしも言い切れない、という常識をくつがえされる内容です。土地探し・家づくりのヒントにしてみてください。

一般的に「南向き=日当たり良好」な立地が好まれる理由

一般的に「南向き=日当たり良好」な立地が好まれる理由

日本の住宅は、古くから南向きに建てることが好まれてきました。理由は2つあります。

(1) 伝統的な日本家屋は柱・梁などを使った軸組工法で、開口部を大きくとっていた
(2) 湿気の多い日本では、カラッとした南側の空気を取り入れるメリットが大きかった

また南向きの家は農家が庭で作業するにも便利、布団を干すにも便利……など、日本人のライフスタイルにピッタリでした。

現代にも南向きの家が好まれてきた歴史が受け継がれていると考えられています。

とくに住宅の両側に開口部がないマンションは、南向きに建てることで最大の日当たりを確保できます。
南向きに建て日当たりを確保した集合住宅が普及したことも、「日当たりが良い住宅=◎」というイメージを浸透させたという人もいます。

日当たりが良すぎて後悔した失敗談

日当たりが良すぎて後悔した失敗談

日当たりが良い家は明るく開放的で、良いことづくめの気もします。しかし過ぎた日当たりの良さは、かえってデメリットになる場合もあるようです。

日当たりのよさが仇になった失敗談を3つ、紹介します。

家に直射日光が入り、暑い!まぶしい!

「家は南向き・日当たり良好であることがマスト」と日当たりにこだわって家を選んだある男性は、住み始めてからその選択が間違っていたと気づいた、と話します。

たまたま周囲に日差しを遮るものがなく、とくに真夏はジリジリ照り付ける直射日光が家にダイレクトに入り込み、暑すぎて困ったそうです。暑さをしのぐために日中でもカーテンを閉めきる生活に「何のために日当たりの良い家を選んだのか」と後悔したといます。

リビングに入る日差しがテレビに反射して、見づらい

ある女性は明るい日差しが降り注ぐリビングに憧れ、大開口部のある南向き住宅を手に入れました。

しかし日当たりが良すぎ、日中はレースのカーテンを閉めていてもテレビに光が反射して見えにくいと後悔しているそうです。テレビは配線が壁の中に隠せる「壁掛けタイプ」にしたため容易に場所を動かせず、結局テレビを見たいときは厚地のカーテンを閉めることに。

子どもからも不満の声が出ているそうです。

また在宅ワーク・リモートワークの人の中からは、南向きの部屋はパソコン画面に日差しが反射して仕事にならないとの声もありました。日差しに向かって仕事をすると自分自身がまぶしく、日差しに背を向けるとパソコン画面が反射し、どうしようもないそうです。

室に日差しがたっぷり入り、夜勤の家族が眠れない

「太陽の日差しで目覚める生活って、素敵」「寝室を南向きにすれば、布団も干しやすい」と家の南東側に寝室を配置し失敗した人もいました。

たしかに天気が良い日は、朝から日差しがサンサンとさしこみます。ベランダで布団を干しても、カラッと乾きます。

ところがこの環境が、夜勤のあるご主人にはデメリットでした。カーテンを閉めても隙間から日差しが入り、まぶしくて眠れなくなってしまったそうです。

【POINT】
日当たりが良すぎることのデメリットは?
日当たりは「適度に良い」ことが大切です。良すぎると次のデメリットが発生します。

  • 直射日光が差し込み、室内の温度が上がりすぎる
  • 直射日光がまぶしく感じる
  • クロスや床、家具が日焼けしやすい
  • 室内にいても日焼けしてしまう

次の章では、日当たりが良くない土地が持つ意外なメリットを解説します。

日当たりが良くない土地だからこそのメリット

日当たりが良くない土地だからこそのメリット

「日当たりが良くない」と聞くと、ジメジメした薄暗い家をイメージするかもしれません。しかし、実際には日が当たりすぎないからこそ快適に暮らせる場合もあります。

日当たりが良くない土地が持つメリットを解説します。

1日を通して日差しが安定している

あえて北側に開口部を設けた家を建てる人もいます。

北側は1日を通じて日射量の変化が少ないのが特徴です。室内の明るさも常に安定しており、時間帯によってまぶしすぎたり、急に暗くなったりという変化がありません。
気持ちも落ち着き、安心して生活できるメリットがあります。

また光が安定している北側の居室は、絵を描く人や室内で作業する時間が長い人にもおすすめです。

真夏でも暑くなりすぎない

日当たりが良過ぎる家のデメリットである「真夏に暑くなる」ことがない点も、北向き住宅のメリットです。
暑さを防ぐためにせっかくの開口部をカーテンで閉めきる必要もなく、冷房コストも節約できます。

とくに近年は地球温暖化の影響で、一昔まえより暑い日が増えました。5月には夏を感じさせる気温になる日も多く、残暑の厳しさも続きます。1年の半分を暑さに悩まされることも珍しくありません。

日当たりが良くない家に住んではじめて「暑くないだけで、こんなに快適なのか」と実感する人もいるようです。

雑草が生育しにくい

雑草の量と強さは、日光量に比例します。日当たりの良い土地には雑草が生えやすく、夏場は数日放置しただけで生い茂ってしまうこともあります。

しかし、南側の庭は雑草に悩まされている家でも、北側の日当たりが良くない場所には雑草がほとんど生えていない場合が多いものです。
雑草といえども、日光がなければ生育できないと実感できるでしょう。

庭に雑草を生やしたくない人には、北向きの日当たりが良くない土地がおすすめです。日当たりの良い土地を選ぶと防草シートを全面に敷く必要があり、外構コストがかさみます。

【POINT】
日当たりの良くない土地のメリットは、ほかにもあります。

  • 室温の変化が少なく、結露しにくいる
  • 室内で日焼けしにくい
  • クロスや建具、家具が傷みにくい

日差しが入らない土地でも、吹き抜けや天窓、地窓の活用などで光を取り込めます。また間接照明の優しい光を楽しみやすいのも、直射日光が当たらない家ならではのメリットです。

適度な日当たりを確保できる土地選びや間取り決めのコツ

適度な日当たりを確保できる土地選びや間取り決めのコツ

日当たりは良すぎても、悪すぎても快適な生活を手に入れられません。自分たちの暮らしに合った、適度な日当たりを確保することが何より重要です。

快適だと感じられる日当たりを確保できる土地・間取りを手に入れるコツを、3つの観点から解説します。

【土地選び】北側道路も検討する

土地は四方のいずれかで道路に面しますが、日当たりを考えた際に気を付けたいのが「南側道路」「北側道路」のどちらを選ぶか、という点です。

  • 南側道路:土地の南側に道路がある
  • 北側道路:土地の北側に道路がある

日当たりが良いのは南側道路の土地です。周囲に建物があっても家の南側に道路があるとスペースに余裕ができ、採光を確保できるためです。

南側道路の土地は人気があり、比較的早く売れていきます。そのため土地を探す人は「良い南側道路の土地はすぐなくなる、はやく決めなきゃ」と思いがちですが、いったん落ち着きましょう。

先述したとおり、南側道路の土地は日当たりが良すぎて思いがけないデメリットが生まれる場合があります。

光が安定する北側道路の土地も検討してみてください。
なお、北側道路の土地は土地価格が相場より安くなりやすいというメリットも得られます。

周囲の環境を確認する

日当たりの良い・悪いは、家の向きだけが決定要素ではありません。家の周囲の環境にも左右されます。

南向きの家だとしても、周囲が次のような状況だった場合は日当たりはどうなるでしょうか?

  • 南側開口部の目の前に住宅が建っている
  • 周囲をビルに囲まれている
  • 目の前に公園や神社があり、木が生い茂っている

せっかくの南向き住宅でも、期待したほどの日当たりは確保できないでしょう。

「南向き!」「日当たり抜群!」という不動産広告を盲目的に信じず、現地に行って周囲の環境を確認するようにしてください。

季節・時間帯ごとの日射量変化を考慮する

日当たりは季節や時間帯によって変わる点も忘れないようにしましょう。

太陽光の角度は、夏と冬で最大48度異なります。

  • 夏至の太陽光角度:78度
  • 冬至の太陽光角度:30度

南側に遮蔽物がある場合、冬のほうが日当たりは悪くなります。冬でも日当たりを確保したい場合は、目の前の住宅との距離が6~10mほど必要です。

また時間帯によっても日当たりは変わります。

  • 東側に開口部:朝日が差し込み気持ちよく目覚められる
  • 南側に開口部:一日中日当たりが良い場所で過ごせる
  • 西側に開口部:午前中はほぼ日が入らないため、夜型の人向き
  • 北側に開口部:昼までも明るくなりすぎず、日中に休みたい人向き

家族のライフスタイルも考慮し、最適な日当たりが得られる土地・家を考えましょう。

日当たりが良くない部屋でも快適に暮らすコツ

日当たりが良くない部屋でも快適に暮らすコツ

「日当たりが良すぎても後悔しそう」「でも日当たりが良くない家はなんとなく不安」と考える人に向けて、日当たりが良くない部屋でも快適に暮らせるコツを解説します。

間接照明を取り入れる

ぼんやりした光が気持ちを落ち着かせる間接照明は、1日の日差しが安定している部屋でこそ楽しめるインテリアです。

部屋の各所に間接照明を取り入れ、やわらかな光を楽しんでみましょう。

「部屋に奥行き感を出せるフロアタイプ」「棚やテレビの裏に貼り付けるバータイプ」「一角を照らすスポットタイプ」などさまざまな種類から好みのものを選んでみてください。

ベランダや庇をなくす

ベランダや庇があると、その分だけ光が室内に届きにくくなります。日当たりが良くない部屋で少しでも自然光を取り入れたい場合は、ベランダや庇をなくすのもおすすめです。

ベランダがないと掃除が必要な箇所が減るというメリットもついてきます。

窓を大きく確保する

思い切って大きな窓をつくってみましょう。日当たりが良くなくても、開口部が大きければ十分な採光が得られます。

「吹き抜けにして天井までの窓をつくる」「天窓をつくる」「採光目的のFIX窓をつける」などの工夫もおすすめです。

観葉植物にはLEDライトを当てる

日当たりの良くない部屋で観葉植物を育てる場合は、LEDライトを照らしましょう。LEDライトには植物の光合成に必要な光が含まれるため、LEDライトだけで植物を育てられます。

水槽の水草にライトが照射されている様子を見たことがあるでしょうか。水草の生育に当てるライトもLEDです。室内にある水槽の水草が生育できるのは、LEDライトのおかげなのです。

日当たりが心地よい家を鹿児島で建てるなら木のんホームへ

日当たりが心地よい家を鹿児島で建てるなら木のんホームへ

適度な日差しが入り、家族全員が気持ちよく過ごせる家を建てたい人は、木のんホームにご相談ください。

木のんホームは鹿児島県で「建築士とともにつくる家」を建てる工務店です。

ご家族のライフスタイルや希望を丁寧にお聞きし、建築士が理想を詰め込んだ家を文字通り1軒1軒オリジナルの間取りで設計します。ハウスメーカーのように「既製品・標準仕様の組み合わせ」ではありません。

暮らしていて毎日が楽しくなる家を、私たちと一緒に建ててみませんか。

まずは、どんな家に住みたいか?希望を全部お聞かせください。予算を含め、建築士と鹿児島での家づくりのプロである木のんホームが形にします。

まとめ

私たちは「家は日当たりが良くあるべき」と先入観を持っています。しかし実際には、日当たりが良すぎることで後悔する人もいます。

自然環境が変化し、日本の気候も昔と同じではなくなっています。昔の価値観をひきずったままの家づくりは、失敗する可能性がある点を押さえておきましょう。

日当たりを含め、家づくりは家族の将来づくりです。

「こうあるべき」という思い込みは一旦置いて、まっさらなところから描いてみませんか。木のんホームとプロの建築士が、思いを形にするお手伝いをします。

この記事を書いた人

admin2021