【注文住宅】適正な予算はどれくらい?算出方法やローン以外に必要なお金も解説

注文住宅を検討するときに、はじめに決めておかなければならないのが「予算」です。無理な予算は生活を圧迫しかねませんし、無計画な住宅ローンは無駄な利息を払うことになるかもしれません。

注文住宅購入に当たっての「予算」の決め方や支払い可能な借入額の算出方法、また住宅ローン以外にもかかる費用についてなど、気になることが多い「注文住宅とお金」について解説します。

予算はどうやって決めればいい?

まずは予算、つまり「自分が払える額」を把握することから始めましょう。予算のベースとなるお金は、「自己資金」「住宅ローン」の2つです。

予算は「自己資金」+「住宅ローン」で決まる

予算は「自己資金」と「住宅ローン」の合計額で決まります。

自己資金とは自分で貯蓄したお金や、両親・祖父母などからの援助のこと。一般的には頭金や諸費用などに充てられます。

住宅ローンは銀行などの金融機関から借り入れるか、国土交通省と財務省が所轄する「住宅金融支援機構」から借りることもできます。

自己資金はいくらくらい用意すべきか

自己資金は「建築費用の20%」を用意するのが目安です。3000万円の住宅なら600万円ということですね。

自己資金が多いほど住宅ローンの借り入れは少なくて済みますが、だからといって貯蓄全額を自己資金に回してしまうのはリスクが高いのでやめましょう。

急な出費や万一の場合に備え、3〜6か月分の生活費は別にしておくのがおすすめです。

親や祖父母などから住宅購入の資金援助を受けた場合は、「住宅取得等資金の非課税制度」を利用するのがお得!以下の条件を満たす支援金には贈与税がかかりません。

  • 非課税となる住宅購入資金援助は1000万円まで
    • 耐震・省エネまたはバリアフリー住宅:1000万円まで
    • 上記以外の住宅:500万円まで
  • 制度の期限は2023年末まで(2021年12月改正)
  • 受贈者の年齢要件は18歳以上

住宅ローンはどれくらい借りてOKか

自己資金を建築費用の20%準備し、住宅ローンの借り入れは「建築費用の80%」までにおさえるのが理想です。

住宅ローンには利率に応じた利息がつきますから、借り入れ額が大きくなるほど当然、総返済額も大きくなります。

また借りられるからといって、上限ぎりぎりまで借りるのもNG。限度額いっぱいまで借りるということは、月々の返済額も大きくなるということ。生活が苦しくなってしまうほどの住宅ローンがあっては、なんのためのマイホームなのか分からなくなってしまいます。

自分が返済できる上限を把握し、無理のない予算を考えましょう。

住宅ローンの借入限度額について、次の項目で詳しく解説します。

住宅ローンは「借入上限」を冷静に見極めて

注文住宅の購入予算に大きな影響を与える「住宅ローンの借入額」。借りられる上限の計算方法と、注意すべき「諸経費」について解説します。

借入上限額の算出方法

住宅ローンの借入上限額は、住宅ローン契約者の年齢と年収で決まります。


【借入上限額=返済上限年数×年間返済額】
・返済上限年数=65歳-住宅ローン契約時の年齢・年間返済額=年収×25%程度

一般的に65歳を引退年齢とし、そこから現在の年齢を引いた年数が返済期間の上限です。30歳で住宅ローンを契約した場合、返済上限年数は「65歳-30歳=35年」、いわゆる「35年ローン」ということになりますね。

現在の年齢が若いほど返済できる年数が長くなるため、借り入れられる総額は大きくなrます。

また年間の返済額は、年収の25%程度とするのが理想。たとえば年収500万円の方なら、500万円の25%=125万円が、年間の最大返済金額の目安です。月々に均すと、約10.4万円となります。

年収からは家族の生活費のほか、教育費や医療費、住宅購入後の維持費もかかります。さまざまにかかる費用も考慮し、住宅ローンを組むようにしましょう。

意外とかかる「諸費用」に注意

住宅ローンの契約にあたって無視できないのが「諸費用」の存在です。

諸費用には以下のようなものが含まれます。

  • 融資手数料
  • ローン保証料
  • 不動産取得税
  • 固定資産税
  • 登録免許税
  • 火災保険料
  • 団体信用生命保険料
  • 司法書士を介した場合はその報酬

総額で物件価格の5〜8%になることもあるのが諸費用。たとえば固定資産税評価額で土地1500万円+建物500万円の物件の場合は、諸費用だけで150〜250万円になることも!

この諸費用は物件価格とは別に用意しておく必要があることを押さえておきましょう。

住宅ローン以外にも支払う必要があるお金とは

注文住宅は「土地+建物+諸費用」以外にもかかるお金があります。大きなものが「修繕費」と「固定資産税」。

後々慌てることがないよう、必ず必要になる経費としてはじめから計上しておくのが堅実な予算の組み方です。

修繕費

最初は新築、ピカピカだった住宅も、住んでいるうちに修繕が必要な箇所が出てきます。特に費用がかかるのが、

  • 外壁
  • 水回り
  • 屋根塗装
  • クロス

といった、大がかりな部分。

一般的に修繕費は、「10年で100〜150万円」を用意しておくと安心です。

リフォームとなるとさらに費用がかさみますが、一切リフォームをしなかった場合でも、修繕費は必要。20年で200〜300万円、30年で300〜450万円とも言われます。

必ず必要になるものですから、「急な出費」とは考えず、毎月計画的に積み立てておくことが大切です。

固定資産税

住宅を所有すると、固定資産税がかかります。固定資産税は土地・建物それぞれにかかることに注意。

評価額によって税額は変動しますが、たとえば「土地2000万円・建物1000万円」の場合は、20年でおよそ100〜200万円の固定資産税がかかります。

毎年のことなので、修繕費同様に計画的に用意するようにしましょう。

土地

本来の税額

軽減措置

200㎡までの小規模住宅用地

評価額×税率1.4%

評価額×1/6×税率1.4%

200㎡を超える一般住宅用地

評価額×1/3×税率1.4%

建物

本来の税額

軽減措置

居住面積120㎡までの部分

評価額×税率1.4%

評価額×1/2×税率1.4%

居住面積120㎡を超える部分

なし

※住宅については特例措置があり、固定資産の税金が軽減されています。

固定資産税は「土地にかかる割合」が大きい

固定資産税は土地と建物、それぞれの「評価額」に対してかかります。

そして「評価額」は土地の方が下がりにくく、建物はどんどん下がる、という点も押さえておきましょう。

建物の評価額(資産価値)は、経年とともに下落します。およそ20年でゼロに近づき、その後は横ばいとなります。

一方、土地は経年劣化がなく価格が下がりにくいため、土地にかかる固定資産税はあまり変動しません。

支払うべき固定資産税に占める土地割合が多い住宅の場合は、年月が経っても固定資産税はあまり変わりなく、建物割合が多いと年月とともに固定資産税は下がっていくということになります。

ただし地価が上昇した場合は、土地の価値が上がり、固定資産税も高くなることがあります。

実際にいくらの家が買える?購入予算をシミュレーション

予算の考え方や住宅ローンの借入可能額、また住宅取得以外にかかる費用について理解したところで、実際にいくらくらいの物件なら手に届くのか、シミュレーションしてみましょう。

順を追って数値を入れていくと、理想の物件価格が算出できます。ぜひやってみてくださいね。

<h3>住宅購入予算のシミュレーション

住宅購入予算は、次の4STEPで算出できます。

★ SEP1:毎月の返済額を算出年収 × 25%(年収負担率)÷ 12か月=1か月あたりの返済上限額【A】
※ 住宅ローンの審査時には「年収負担率30%」で計算することもありますが、実際の生活を考えると25%程度にしておくのが安心です。
★ SEP2:維持費を差し引いて、「リアルな」返済額を算出【A】- 維持費 = 1か月のリアルな返済額【B】
※ 維持費とは修繕費や将来的に必要になるお金のこと。10年で150万円程度が目安なので、毎月1万円は積み立てる試算を。
★ SEP3:借入額の妥当ラインを計算する【B】÷ 1000万円あたりの月々の返済額 × 1000万円 = 打倒借入額【C】
※ 仮に1000万円借りた際の月々の返済額を下にまとめてあります。この金額を参考に計算を進めてみてください。
★ SEP4:自己資金を加えて総予算を出す(【C】+自己資金)÷ 諸経費1.07 =現実的に購入可能な物件価格
※ 諸経費を7%として設定しています。

1000万円借りた場合の、月々の返済額は?

上記のシミュレーションでも使っている、1000万円を借り入れた場合の月々の返済額は、およそ以下の通り。

金利や返済期間によって変動しますが、ひとつの目安にしてください。

金利

返済期間

20年

25年

30年

35年

1.00%

45,989円

37,687円

32,163円

28,228円

1.50%

48,254円

39,993円

34,512円

30,618円

2.00%

50,588円

42,385円

36,961円

33,126円

2.50%

52,990円

44,861円

39,512円

35,749円

3.00%

55,459円

47,421円

42,160円

38,485円

3.50%

57,995円

50,062円

44,904円

41,329円

4.00%

60,598円

52,783円

47,741円

44,277円

※ 元利均等返済の場合。

まとめ

住宅購入予算は、その後の生活に大きな影響を与えます。欲張らず、背伸びせず、無理のない計画を立てるのがコツ。

実際に生活していくと、住宅ローンのほかにもさまざまにお金がかかってきます。車のローンや教育ローンなど、別のローンを組むことになる場合もあるかもしれません。

「なんとかなるだろう」という希望的観測でローンを組んでしまい、後々苦しい思いをするのだけは避けたいところです。できる限り現実に近い予算を組み、その予算内で理想の住まいを実現できるプランを検討しましょう。

木のんホームではご予算や住宅ローンのご相談も承っています。まずはお気軽にお声がけください!

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admin2021