【注文住宅】完全解説!理想の注文住宅を購入する7ステップ

注文住宅とは、自由に、こだわりを詰め込んで設計して建てる家のことです。

注文住宅の対義語は「建売住宅」ですね。すでに建っている家を購入するので、間取りも設備も完成してしまっています。

一方で設計から考えられる注文住宅は、土地やライフスタイルに合わせた間取りや、希望の設備・仕様をかなえられるのがメリット。

今回はそんな注文住宅が気になる方のために、注文住宅の最初から引き渡しまでを徹底解説しました。注文住宅で気を付ける点や、大事なお金の話も出てきます。

理想の家を描きながら、ぜひ最後まで読んでみてください。

「注文住宅」の魅力はココ!建売住宅との比較

注文住宅の魅力は、なんといっても「自由度」にあります。では建売住宅と比べたときに、どんな自由があるのか?比較しながら見ていきましょう。

こだわりが詰まった住空間が手に入る

注文住宅は、家族構成やライフスタイル、趣味、土地や周辺環境などに合わせて、トコトンこだわって建てられる点が魅力です。

テレワークが増えたから書斎が欲しい、趣味専用の部屋が欲しい、備え付けの大きな書棚が欲しい、開放的な吹き抜けが欲しい……、などなど、どんな希望も自由自在!

ご夫婦でインテリアの好みが違っていれば、1階は純和風に、2階は洋風にという折衷デザインも可能。土地が変形していても狭小でも、工夫次第で快適な住まいが建てられます。

施工会社が考えた間取りやインテリアで完成してしまっている建売住宅では、こうはいきませんよね。

希望の土地に立てられる

注文住宅は、好きな土地に建てられるのも大きなメリットです。

建売住宅は完成しているので、当然土地(住む場所)も決まっています。建物は条件にバッチリだけど、生活や子どもの学校のことを考えると「土地の条件」が合わず、購入の決断ができない……、ということも。

注文住宅なら、土地がある場合はそこに、土地がない場合は希望の場所を探せばOK。ただし人気の区画は、販売開始と同時に売り切れてしまうこともあるので、土地情報サイトをこまめにチェックしておくことをおすすめします。

予算の具合を調整できる

注文住宅は、予算の具合を収入に合わせて調整できる点でも安心度アップ!

建売住宅は販売価格が決まっています。「ガレージは要らないから安くしてほしい」といった希望は通りません。

一方、注文住宅は、予算内に収まるように相談しながら設計します。予算に合わせて、「ここは豪華に、ここはシンプルに」といった調整も可能。

予算面の柔軟性という点でも、注文住宅はメリットが大きいのです。

注文住宅を建てる前に!注意したいこと

魅力満載に見える注文住宅ですが、注意しないといけない点もあります。

こだわりすぎると、費用がかさむ

理想の注文住宅を描くあまり、細部にまでこだわりすぎると、それだけ費用がかさむことになります。

オプションも一つひとつはそこそこの値段でも、いくつもつけると、あっという間に百万円を越え驚くお客様も。

予算は早めに決め、予算内で収まる設計を考えるのが、安心して注文住宅を建てるコツです。

理想の注文住宅を描くあまり、細部にまでこだわりすぎると、それだけ費用がかさむことになります。

オプションも一つひとつはそこそこの値段でも、いくつもつけると、あっという間に百万円を越え驚くお客様も。

予算は早めに決め、予算内で収まる設計を考えるのが、安心して注文住宅を建てるコツです。

土地から探さないといけない

好きな土地に建てられる反面、土地を持っていない場合は「土地探し」から始めないといけないのが注文住宅です。

希望の条件に合う土地がなかなか見つからない、予算と折り合いがつかないなど、設計の前段階で苦労することも。

土地探しは土地情報サイトのほか、地元の不動産屋や施工予定の工務店等に相談してみるのも方法です。

木のんホームでも土地のご相談を承っていますので、まずはお気軽にお声がけください

Step1|予算を決める

いよいよ、注文住宅を購入する具体的手順に入ります。

まずは一番大切な「予算」から。注文住宅を建てる際に、必ず見ておくべき点を2点、解説します。

借入額を設定する

多くの方は「住宅ローン」を組み、家を建てます。この時、住宅ローンで借りる金額のことを「借入額」といいますが、借入金は余裕をもって返せる範囲にしておくことが大切です。

借入額を決めるポイントは2つ。

まず「いくらまで借りられるのか(借入上限額)」を知りましょう。借りられる額は、ご自分の年齢と年収から算出します。

返済完了時の年齢は65歳、「65歳までの年数 × 毎年の返済額」が借入上限の目安です。

年間の返済額は、年収の25%程度までとします。

次に建築費用の何%までを借入金でまかなうか、という点を考えましょう。一般的には「借入金は建築費用の80%以下」が望ましいとされています。残りの20%は自己資金で用意する、ということです。

建築費用の80%までを借入金、20%は自己資金で用意できる予算が、建築総費用の上限ということになります。

また住宅ローンには、手数料や税金、司法書士報酬など「その他の費用」が別にかかります。こちらは住宅ローンとは別に用意しておく必要があります。

修繕費、固定資産税も考慮する

住宅を持つとかかってくるのが「修繕費」と「固定資産税」です。住宅ローンの返済とは別に、毎月積み立てていくのがおすすめ。

固定資産税は土地や建物の価値によって変動します。たとえば「土地2,000万円+建物1,000万円」の場合、固定資産税は20年間でおよそ100〜200万円。年間5〜10万円の負担です。

修繕費は外壁や屋根、水回り等の修繕にかかる費用です。一般的には「100〜150万円/10年」といわれています。1年に10〜15万円は積み立てておきたい計算ですね。

こうした住宅ローン以外の費用も、必ずチェックしておきましょう。

Step2|土地を見つける

土地から探す場合は、「安全性」「建ぺい率・用途地域のチェック」「周辺環境のチェック」が3大ポイントです。

土地の安全性をチェック

土地の安全性は「災害予測」と「地盤の強さ」を確認しましょう。

災害の危険性は、国土交通省が提供している「国土交通省 ハザードマップポータルサイト」でチェック。各自治体のハザードマップを簡単に確認できます。

また実際の地図と航空写真等を重ねることで、洪水や土砂災害、高潮・津波のリスク、土地の特徴・成り立ちなども一目瞭然です。

引用:国土交通省 ハザードマップポータルサイト

地盤の強さは「地盤サポートマップ」が便利。住所を入れて検索するだけで、地耐力や地形が分かります。昔の写真と重ねて、土地の成り立ちを見ることができますよ。

引用:地盤サポートマップ

一般的に山地や丘陵地、台地は古くから成り立っていることが多く、地震があっても揺れを増幅しにくい(地震に強い)といわれています。一方、土砂が積み重なって形成された土地は、揺れに弱い傾向も。

家という大きくて重い物を建てるだけに、土地の安全性は入念に確認しておきましょう。

建ぺい率・用途地域をチェック

「建ぺい率」とは、敷地面積に対する建築面積の割合を示したものです。日当たりや防災の視点から、地域ごとに決められています。

似た指標に「容積率」というものもあります。これは敷地面積に対する、延べ床面積を示すもの。用途地域ごとに50〜1300%の間で定められています。

ちなみに「用途地域」とは、法律で定められているその土地の用途のこと。商業、工業、住居など13の区分があり、家を建てられるのは「工業専用地域以外」です。

土地に対して建てられる家の大きさは、用途地域と建ぺい率、容積率によって決まるということ。思ったより大きな家を建てられなかった、ということがないように、土地購入前によく調べることが大切です。

周辺環境をチェック

周辺環境のチェックポイントは、2つ。

まず、現在の環境をチェックしましょう。生活に必要な施設の場所や道路状況、日中と夜間の騒音、住人や他の家の雰囲気といった要素です。

次に「用途地域」から、将来環境を想像しておくことも大事。現在、低層住宅だけが建っている地域だったとしても、低層住居専用地域でなければ、将来的に大きな建物が建つ可能性はあります。

Step3|建築業者を見つける

建築業者は、理想の家を建ててくれる大切なパートナー!譲れない好みやこだわりを上手に反映してくれる業者を見つけるために、コツを押さえて探しましょう。

主な建築業者から、「ハウスメーカー」「地域の工務店」「建築士(設計事務所)」をピックアップし、メリット・デメリットをご紹介します。

ハウスメーカーのメリット・デメリット

ハウスメーカーのメリットは、安心感が得られることです。会社規模が大きいため、保証も充実していることが多く、安定したサービスが期待できます。

また地域に住宅展示場を持っていることが多いので、実物を見てじっくり品定めできる点もメリットですね。

一方、デメリットは自由度に制限がある点でしょう。注文住宅とはいえ、コスト削減のためにある程度は規格化されているので、隅々まで自分の好みで建てたい方には向きません。また実際に工事を行うのは下請け業者なので、良し悪しが分かれてしまう場合もあります。

地域工務店のメリット・デメリット

地域に根ざして営業している工務店は、手厚いサポート力がメリットでしょう。不具合があってもすぐに駆けつけてくれたり、気候や地域事情に合った住宅を提案してくれるなど、融通が利くのも工務店の魅力です。またハウスメーカーより割安なところが多いようです。

一方、デザインや斬新さ、アイディアが光る住宅の設計はあまり期待できないかもしれません。良くも悪くも長年その地域で家を建ててきているので、昔ながらの住宅を提案される場合もあります。

また保証は必要最低限に限っているところも多くあります。

建築士(設計事務所)のメリット・デメリット

近年人気を集めているのが、建築士が設計する注文住宅です。建築士ならではの視点から、デザイン性にも居住性にも優れた住宅を提案できる点が魅力。好みやこだわりが強い方にもおすすめです。

土地に合わせてイチから設計するので、変形土地や狭小地に強いこともメリットです。

一方、ややコストがかさみがちという点がデメリット。特に人気の建築士に依頼すると、予算オーバーしてしまう可能性も。建築士に依頼する場合は、こだわりポイントに加えて予算をはっきり伝えておくと安心です。

Step4|いよいよ契約!

いよいよ契約、緊張しますね。

書類や専門用語も多い契約は難しく感じるかもしれませんが、手順と注意点を把握しておくとスムーズに進みます。

契約の流れや注意点を見ていきましょう。

契約の流れ

契約はハウスメーカーと交わす場合と、工務店に依頼する場合とで若干流れが変わります。

ハウスメーカーの場合工務店の場合
本契約(契約時金 10%)▼詳細設計▼追加変更契約▼着工(着工時金 30%)▼上棟(中間時金 30%)▼完成・引き渡し(残金 30%)設計申込(100万円程度)▼詳細設計▼本契約▼着工(着工時金 30%)▼上棟(中間時金 40%)▼完成・引き渡し(残金 30%)

ポイントは「いつ、どのタイミングで、いくら払うことになるのか」を押さえましょう。ハウスメーカーの場合は本契約時に10%、その後着工時に30%を支払います。

工務店は本契約と着工がほぼ同じタイミングになりますので、申込時に100万円を払った後は、30%の支払いから始まることになります。

また不明な点は納得できるまで質問することも大切。本契約前ならいつでもキャンセルできるので、不安は本契約までに解消しておきましょう。

契約時の注意点

契約で注意すべき点は次の3つです。

  • 戸建ての契約は「土地」「工事」それぞれで必要なこと
  • 工事請負契約は「支払い回数」に注意
  • 業者倒産のリスクもかんがえ、「住宅完成保証制度」も検討

契約は土地と建物の工事、それぞれで行います。購入した土地が「建築条件付き」の場合は、契約後3か月以内に建築工事の締結が必要になることもあります。

また工事請負契約は、支払い回数とタイミングをチェック。ちなみに住宅ローンは、着手金の段階では使えません。住宅ローンは建物の登記(不動産の所有者を登録すること)後から開始になるからです。

着手金は自己資金で用意するか、住宅ローン開始前に借りられる「つなぎ融資」を使うことになります。

Step5|住宅ローンを組む

現実的な話ですが、お金はとても大切です。住宅ローンについてもポイントを押さえ、しっかりと見極めて申し込みましょう。

住宅ローンの種類

住宅ローンには金利のつき方によって、3つの種類があります。

全期間固定金利型
ローン完済まで金利が固定のタイプ。利率が変動する不安がない反面、金利は最も高い。
変動金利型
半年ごとに金利の見直しが行われるタイプ。利率は最も低く設定されるが、社会情勢の影響も受ける。
固定金利選択型
選択した期間中は金利が固定、以降は固定金利か変動金利かを選べるタイプ。選んだ期間が長いほど、金利は高くなる。

金利が一番高い「全期間固定金利型」よりも、半年ごとに見直しをしてもらえる「変動金利型」の方がお得に感じるかもしれません。ただ、見直しがあるということは、金利が上がる可能性もあるということ。

金利は社会情勢の影響を強く受けるので、低金利がずっと続くとは限らないのです。金利が上がると、当然返済額も大きくなります。

収入の状況や家族構成によって、ピッタリのタイプは異なります。不安な場合は、フィナンシャルプランナー(FP)など専門家に相談するのがおすすめです。

木のんホームでもご相談を承っているので、気軽にお声がけくださいね。

金利・事務手数料はここをチェック

同額の住宅ローンを組んでも、銀行によって金利や事務手数料は異なります。ローンを組む前に複数の銀行で返済シミュレーションを出してもらい、比較しておくことが大切です。

特にネット銀行は、上手に使うと銀行より格段に低い金利で申し込めることも。比較の際には、ネット銀行も候補に入れてみましょう。

また事務手数料も要チェックです。一見、金利が安く見えても事務手数料や保証料等の諸経費を加えると、結果的に高くなることもあります。

良く調べて、損をしない住宅ローンの組み方を見つけたいですね。

万一の場合の保険も要検討

ローン返済中のリスク対策も考えておきましょう。

「団体信用生命保険」は、ローン契約者が返済期間中に死亡、もしくは高度障害状態になったときに、その時点のローン残高に相当する保険金を支払ってくれる保険です。保険金を使ってローンの一括返済が可能なので、残された家族にも心強いですね。

「就業不能保険」というものもあります。

民間の保険会社が提供している保険で、病気やケガで働けなくなったとき、毎月一定額を受け取れる保険を指します。保険金をローン返済に充てることで、ひとまず住む場所の心配をしなくて良い、ということになりますね。

住宅ローンによっては、「団体信用生命保険」等への加入を条件にしているケースもあります。

Step6|待望の引き渡し

注文住宅が完成しました!

待望の引き渡し……、の前に、予定通りにできているか、不具合がないかのチェックを行います。

「施主検査」を中心に、解説していきます。

引き渡し時のチェックポイント

施主検査とは、注文住宅が完成した後に不具合をチェックする機会のこと。水回りや電気系統、設備機器も実際に動かして確認します。施主検査で不具合が見つかれば、修繕、再検査……、という流れになります。

施主検査は、引き渡しの最低でも1週間前には行いましょう。引き渡しまでの期間が短いと、修繕が必要だった場合に工事が間に合わないことも考えられます。

ホームインスペクターを依頼しよう

施主検査には「ホームインスペクター」に同行してもらうと安心。ホームインスペクターとはプロの住宅診断士のことで、施工主と一緒に住宅のチェックをしてくれます。

素人には気づきにくい細かな点や欠陥も調査してくれるので、後々のトラブルを防ぐためにも有効です。

不具合は引渡し前に見つけておくのが鉄則。引き渡し後の修繕は対応してくれない業者もあるので、要注意です。

Step7|購入後の手続き、メンテナンス

住宅の引き渡し後にも、やることはたくさん!忘れると損につながることもあるので、あらかじめ押さえておきましょう。

知っておきたい優遇制度

住宅取得にはさまざまな優遇制度があります。

たとえば「住宅ローン減税」。1〜10年目までと、11〜13年目の2段階に分けて、最大500万円が戻ってきます。

「すまい給付金」は、年収によって給付金が支給されるもの。収入が低い人ほど、多額の給付金がもらえます。

親や祖父母から資金援助を受けたときは、「住宅取得等資金の非課税制度」を利用しましょう。通常の資金援助には贈与税がかかりますが、住宅購入に関する援助は一部非課税となります。

また住宅ローンも資金に余裕があるときの「繰り上げ返済」、もっと良い条件のローンに乗り換える「借り換え」、支払額や利率の変更を申し出る「条件変更」等で、総返済額を減らすこともできます。

お金に関する用語は、難しく感じて敬遠されがちですが、詳しくなるほどにお得になるもの。専門家のアドバイスも受けながら、負担を減らしていくのがおすすめです。

※ 「住宅ローン減税」「すまい給付金」は2022年末までの入居が条件となります。

住宅は「登記」が必要

引き渡し後には「登記」という手続きが必要になります。忘れないうちに、できるだけ早く済ませましょう。

登記をしておかないと、不動産の権利が買主(あなた)に引き継がれません。所定の手続きを経て土地・建物の現状を記録し、はじめてあなたの所有物になります。

登記には多くの書類が必要になり、制度も複雑です。また登記の名義によっては控除がうけられる場合もあり、その道に詳しい司法書士に任せるのが一般的。司法書士は銀行や不動産会社、工務店等が紹介してくれることもあります。

長く住めるメンテナンスのコツ

入居後はメンテナンスにも気を配りましょう。気持ちよく長く住み続けるには、日常のお手入れと定期的な修繕が大切です。

水回りや壁、床は日々のお手入れを。フローリングのワックス、ビニールクロスの汚れなども気をつけましょう。

屋根や外壁は老朽が気になったら、補修の相談をしましょう。施工会社に頼むか、ホームセンターやリフォーム会社でも対応してくれます。

雨風にさらされる外壁は10年に1度の塗り直しが目安と言われています。

まとめ

「注文住宅を建てよう!」と思ったときから、引き渡し、入居後までに必要な手順を一揆に解説してきました。

注文住宅は「設計」ばかりが注目されますが、そのほかにも、

  • 余裕を持って返済できる資金計画
  • 安全に暮らせる土地選び
  • こだわりを実現してくれる建築業者選び
  • 抜け漏れのない契約
  • 入居時・入居後のチェック

など、こまかな準備や手続きが必要です。

時には「面倒だな」と感じることもあるかもしれませんが、それを乗り越えた先にある理想のマイホームは何にも代えがたいもの!

一生後悔しない家づくりのために、ぜひ参考にしてくださいね。

この記事を書いた人

admin2021