希望通りの間取りで家を建てられる注文住宅で、多くのご家族が悩むのは「子ども部屋をどうしようか」という点です。つくったほうが良いのか、いらないのか、つくるならどのような間取りがよいのか、広さは……、など迷うポイントも数多く、子供部屋の設計で行き詰るケースも少なくありません。
子供部屋の有無は住宅全体の間取りにも影響を与えるため、「早く決めて設計を先に進めたい!」と思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、注文住宅で子供部屋をつくるか迷うご家族に向けて、子供部屋の役割やメリット・デメリット、最適な広さ、つくる際の注意点などを解説しました。私たち木のんホームがてがけけた、素敵な子供部屋の事例も紹介しています。
ぜひ最後まで読み、子供部屋をどうするか決めるヒントにしてください。
注文住宅に子供部屋はつくるべき?
「作っても使うかどうかわからない」「子どもが独り立ちしたら空き部屋になりそう」など、迷うポイントが多いのが子供部屋です。
はじめに子供部屋のあり方について、考えてみましょう。
子供部屋に対する考え方
昔は、6畳ほどの何の変哲もない1室を、年ごろになった子どもに自室として与えるのが一般的でした。子どもの人数だけ部屋数が必要で、子どもが巣立ったあとには物置に……、という光景は「実家あるある」のひとつといわれます。
近年は、あえて子供部屋を作らないご家族も増えてきました。開放的で多用途に使える空間を持つ家づくりをし、家族がお互いを近くに感じながら暮らせる家をつくる方もいます。ただ、お子さんが思春期を迎えたときにプライベート空間が作れないと悩む場合があるのも事実です。
子供部屋に対する考え方は時代とともに変化します。またライフスタイルによっても、最適解は異なり、正解がないともいえます。
子供部屋の役割
一般的に、子供部屋は勉強や遊びをしたり、休んだり、あるいは子どもの持ち物を置く場所として考えられています。
この目的だけを踏まえれば、「あえて子供部屋を作らなくても良いのでは」という考えも納得できるかもしれません。リビングで学習し、家族全員の寝室で休み、ファミリークローゼットに持ち物を保管すれば役割は達成できるからです。
しかし子供部屋には、「子どものプライベート空間を確保する」という重要な役割があります。子供部屋は、自立心が芽生えプライベートを意識するようになった子どもに、安心して一人で過ごせる空間を提供してくれます。
開放的で家族がいつも集まれる空間と、子どもが一人で静かに過ごせる空間とを両立する間取りを検討してみましょう。間取り設計の自由度が高い注文住宅なら叶います。
注文住宅の設計時に子供部屋をつくるメリット・デメリットは?
家族構成やライフスタイルに合わせて自由に間取りを設計できる注文住宅だからこそ、子供部屋をつくるなら設計段階で理想を思い切り詰め込みましょう。
ただし、設計段階から子供部屋をつくることの注意点もあります。
注文住宅の設計時に子供部屋をつくるメリットとデメリットを解説します。
メリット
設計段階で子供部屋をつくっておくメリットは、次の3つです。
- 後日のリフォームが不要になる
- 子どもも楽しみになる
- 好みのインテリアでつくれる
はじめから子供部屋があれば、子どもが成長し「やっぱり自室が欲しい」となったときにわざわざリフォームする必要がありません。
また「自分の部屋ができる!」という高揚感から、家づくりに対する子どものワクワク感も高まります。
壁紙や造作など、好みのインテリアに仕上げられる点もメリットです。子ども自身に壁紙などを選ばせると、自室に対する責任感も高まります。
デメリット
注文住宅の設計段階で子供部屋をつくるデメリットは、次の2点が考えられます。
- 子供が増えたときに対応できない
- 本当に使うかどうかわからない
新婚、あるいは結婚数年以内にマイホームを建てる場合、お子さんの人数が確定していない可能性があります。「マイホームが完成したけれども、子供部屋が足りない」という嬉しい悲鳴になる可能性も考えておきましょう。
また「子供部屋を作ったものの、思ったほど使わない」という声もあります。リビングで家族が過ごす時間が多いご家庭に多いようです。でももしかしたら、お子さんは「自室がある」事実に安心感を抱いているのかもしれません。この場合の子供部屋は、お子さんにとって「心のよりどころ」として機能しているといえます。
子供部屋は何歳から必要?最適な広さは?
子供部屋は、つくるだけつくっておいて、必要になるまでは別の用途に転用しても構いません。では、子どもは何歳ごろから自室を使うようになるのでしょうか?また子供部屋の広さは、どれくらいを確保するのが望ましいのでしょうか。
設計前に考えておきたい、子供部屋を使い始める年齢と広さについて解説します。
自室が必要になる年齢
お子さんが自室を必要とする年齢は、成長の度合いによって異なります。一般的に「何歳からは子供部屋が必要です」という指針もありません。
さまざまなアンケートを調査すると、小学校入学を機に子供部屋を与えるご家庭が多いようです。また今は子供部屋を与えていないが、小学校3~4年生になったら与えるつもり、という回答も多数見られました。
子供部屋の広さ
子供部屋は、子供自身が快適に過ごせる広さを確保しましょう。一般的な住宅だと、子供部屋を6畳程度で設計するケースが多く見られます。6畳なら学習机とベッド、本棚をおいても、ゆったり過ごせます。
6畳より狭い場合は、「ベッドを布団にする」「コンパクトな家具を使う」「棚を造りつける」などの工夫で快適性がアップします。
注文住宅だから失敗したくない!子供部屋の良いつくり方は?
家族の希望を詰め込める注文住宅だからこそ、理想のマイホームを建てたいですよね。さらに子供部屋は、子供自身の希望や過ごし方を考えてつくりたいと思うのが親心です。
ここからは子供部屋づくりで失敗しないポイントを4つ解説します。
1. 多用途に使える間取りにする
子供部屋が必要になるのは、主に就学期間(小中高・12年)です。一方、マイホームでの家族の生活は、お子さんの就学にかかわらず続きます。
お子さんが子供部屋を使わない期間にも部屋を活用できるよう、さまざまな用途を想定した間取りにしておくと物置化を防げます。
別の用途に転用できる子供部屋のアイディア例を紹介します。
- 広い部屋の中央を仕切り2人の子供部屋にする。子供が巣立った後は、1室として広い寝室にする。
- あえて北向き部分に子供部屋をつくる。子供が部屋を使うのは主に夜間のため、北向きでも気にならない。子供が巣立った後は、日当たりが安定したアトリエとして活用する。
- ロフトなどのフリースペースに仕切りを置き、子供部屋としてあてがう。子供が巣立った後は、趣味の映画を楽しむホームシアターにする。
2. 用途を限ってコンパクトにつくる
「6畳の子供部屋を作っても、子供が独立したあとに持て余しそう」と感じる場合は、あえて子供部屋をコンパクトにしてみましょう。ベッドと小さい棚が置ける程度の、3~4畳で設計します。勉強はリビングで、子供部屋は寝る場所と割り切るのです。
実は「子供部屋を作ったのに、いつもリビングで勉強している」というお声は、とてもよく聞きます。リビングでの学習は安心して勉強に打ち込めるなどのメリットも多いため、子供部屋ではなくリビングに勉強スペースを確保してみましょう。
3~4畳なら、将来的に思い切ってクローゼットにしてもちょうど良いサイズです。
3. 子どもの成長を考えて設計する
小学生のうちは伸び伸び遊び騒げる場所として、中学生から高校生になると静かに勉強できる場所や自分と向き合う場所として子供部屋を必要とします。「子どもは成長する」という当たり前の事実を忘れずに、子供部屋を設計しましょう。
「家族の気配を感じられるように」とオープンな空間を子供部屋にするのは、お子さんが小さいうちは良いでしょう。しかし成長し思春期になり、親に話したくないこと・知られたくないことを持ち始めると、オープンな空間にかえって居心地の悪さを感じるケースもあります。
子どもが何歳になっても心地よく過ごせるよう、親自身の子ども時代を思い出しながら設計してあげてください。
子ども目線でワクワクするスペースを設ける
大きくなっても使える部屋という視点と同じくらい大切なのが、子ども自身がワクワクできる空間であるということです。
ボルダリングを付ける、ブランコを設置するといった遊び場所を造るのは、注文住宅だからこそできる工夫でしょう。不要になったら取り外しできるようにしておけば、大きくなってからも違和感なく部屋を使えます。
またクローゼットの扉を秘密基地風にする、宝箱をしまえる小さな収納を造りつけるなど、ちょっとした工夫でも子どもたちのワクワクを引き出せます。
子どもが「ここは自分のための場所だ」と価値を見出し、大切にしてくれるような工夫を凝らしてみてください。
注文住宅だから叶う子供部屋のおすすめ実例
ボルダリングやブランコのほかにも、注文住宅ならではの子ども部屋・キッズスペースの実例を紹介します。
将来的に2分割可能な子供部屋
お子さんが2人になっても対応できるよう、2分割を前提とした子供部屋です。1部屋に窓や入口が2つずつあるのはもちろん、コンセントや照明も分割後も使いやすいよう配置しました。
あいだの仕切り壁は施工業者やリフォーム業者に依頼すると、1~2日で完成します。同性のお子さんの場合は、あえて仕切らずにこのまま使い続けても構いません。
お子さん同士が異性の場合は、適切な年齢になったらあいだを仕切ってあげましょう。
必要最小限を配置したミニマルな子供部屋
こちらは将来、別の用途にも転用しやすいようにと、あえて子供部屋を小さくつくった事例です。部屋の幅を活かして学習スペースを造り付け、不要になったらすぐ取り外せるようにしました。
ミニマルな部屋は、お子さんの持ち物の置き場がない・散らかりやすい点が悩みどころですが、こちらの住宅では壁面を活かし収納しやすさをアップしました。
ナチュラルな木製フックを配置し、鞄や荷物を引っかけられるようになっています。子どもたちは収納の手順が複雑だと片付けなくなるため、簡単にしまえる工夫が大切です。
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まとめ
子どもの成長にとって、子供部屋はとても大切な役割を果たします。遊び、勉強し、休む以外にも役割がある、それは「自立と責任を学ぶ場所ということ」だと、アメリカでは昔から言われてきました。
子どもは自室を自分で管理し、自室で自己と向き合うことで、責任と自立を学ぶのだそうです。
現代、開放的な空間や個室のない間取りも人気です。しかし、子供部屋が本当に不要かどうかは、お子さんのかけがえのない子ども時代を考えて決めてあげたいですね。
子供部屋の必要性や間取りに悩んだら、ぜひ一度工務店に相談してみることをおすすめします。思ってもみなかった視点やアイディアが、きっと得られますよ。