注文住宅を建てる際に避けて通れないのが、オプションをどうするか?という点です。標準仕様だけで家を建てることも可能ですが、せっかくの注文住宅、細部にまでこだわりたいですよね。
一方で、住み始めてから「やっぱりいらなかったかも」という後悔はしたくありません。
そこで今回は、注文住宅で人気のオプションをまとめて解説!メリットやデメリットとともに、慎重に検討した方が良いオプションもまとめました。
理想の住まい実現に向けて、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅の「標準」と「オプション」とは?
注文住宅には、「標準」と「オプション」というものがあります。それぞれ何を指すのでしょうか。
理想の注文住宅を予算内で建てるためにも、はじめに正しく把握しておきましょう。
注文住宅の「標準」とは、家の基本仕様のこと
注文住宅の「標準」は、「標準仕様」とも呼ばれます。家づくりの基本となる「元の仕様」のことで、家づくりに必要となる基本部分の仕様を指します。
標準仕様のものについては、追加費用なしでつけられるということ。
家づくりに必要なものは工法や断熱材、外・内装材、床材、屋根材、窓、玄関ドア、給湯器にいたるまで、実にさまざまです。こうした必要な設備については、あらかじめ基本の仕様が決められているのですね。
注文住宅の「オプション」とは?、費用を払って付ける設備のこと
注文住宅の「オプション」とは、費用を払ってつけてもらう設備のこと。標準仕様からグレードアップしたり、設備を追加したり……、といった仕様の変更を指します。
たとえば、以下のような設備は「オプション」になっていることが多いですね。
- 無垢材のフローリング
- 床暖房
- 家庭用蓄電池
- バリアフリー
- 手すり
また許容応力度計算や省令準耐火構造、耐震等級3といった家の構造や性能的な変更も、標準仕様外であればオプション費用が必要になります。
オプションは予算と照らし合わせ、冷静に検討を
オプションは「費用がかかる」点を踏まえて、予算やライフスタイルと照らし合わせながら慎重に決めることが大切です。
どれも魅力的に見えて追加した結果、予算オーバーしてしまっては大変ですからね。
一方で、予算を押さえようとするあまり、標準仕様ばかりにこだわって契約に進むのも待ってください。
契約が済むと、以降の変更はすべて追加工事扱いとなり費用がかかります。
見積りの安さだけを重視して最低限のプランで契約した結果、あとから追加が必要になり、予算オーバーに……、ということにもなりかねません。
生活動線や家族構成、将来の暮らし方もよく考え、契約までにオプションも決めるようにしましょう。
2022年最新|人気の注文住宅設備オプション
さてここからは、先に注文住宅を建てた方から高評価のオプションを紹介します。
オプションごとにメリット・デメリットもまとめましたので、気になる設備をチェックしてみてください。
電動シャッター
電動シャッターは、電動(リモコン)で開閉できるシャッターのこと。窓の外側につけ、飛来物から窓ガラスや室内を守る役目を果たします。
近年は台風やゲリラ豪雨、強風など、異常気象も頻発していますよね。災害対策として「付けて安心感が増した」という声が見られます。また防犯面でも役に立ちますよ。
メリット | 電動なので開閉が楽。窓を開けなくても開閉できる。一定速度で開閉するため、音が静か。途中で止めて風や光を取り込むことも可能。 |
---|---|
デメリット | 手動に比べて導入コストがかかる。機械が故障するリスクがある。 |
オール二重サッシ
二重サッシとは、サッシを二重に設置した窓のこと。サッシ自体が2つあります。
紛らわしいものに「ペアガラス」がありますが、ペアガラスとは2枚のガラスの間に空気層を設けたガラスのこと、二重サッシとは別物です。
ちなみに、二重サッシの内側をペアガラスにすると、さらに断熱性能が高まりますよ。
サッシの枠を樹脂にすると、結露しにくいというメリットもあります。「冬場のびちょびちょから解放された!」というお声も多い、人気オプションです。
メリット | 断熱性能が高い。結露しにくく、カビやダニの発生を防ぐ。 |
---|---|
デメリット | 樹脂サッシは強度を上げるため、重くなりがち。価格がかさみがち。 |
床暖房
床暖房とは、床の下にパイプを敷き詰め、温水を流して床全体を温める暖房設備のことです。電気ヒーターで暖めるタイプもありますが、現在は温水タイプが主流。熱源である温水は、ガスや灯油で作り出します。
床から直接伝わる熱(伝導熱)と、床から部屋全体に広がる熱(ふく射熱)の組み合わせが足元から部屋全体を自然に暖めます。導入後最初の冬、「冬でもこんなに暖かいなんて!」と驚かれるお客様も多い設備ですよ。
メリット | 暖房器具を置く必要がなく、掃除がしやすい。風が発生しない。ペットや小さいお子さんにも安心。 |
---|---|
デメリット | 立ち上がるまで時間がかかる。ランニングコストがかかりがち。 |
食洗器
新築は、ビルトインタイプ(キッチンに造り付け)タイプの食洗器をつけられるのが魅力!上置きタイプより大容量で、鍋やフライパンも入ります。
食器を洗って乾燥してくれる便利さはもちろん、次に使うときまで置いておける点をメリットとして上げる方も多く見られました。「手荒れが減った」「食器棚がいらなくなった」という声もあります。
メリット | 食器洗いの手間が短縮される。手洗いより節水できる。水仕事による手荒れが防げる。食器を置いておくことができ、省スペースになる。 |
---|---|
デメリット | 食洗器の設置スペースが必要。洗浄中の動作音が大きい。食洗器非対応の食器は使えない。 |
太陽光発電
屋根上にパネルを設置し、太陽光を利用して発電する「太陽光発電」は、環境意識が高い方から人気の設備です。発電した電気は家庭で利用できるほか、余剰分を売ったり、住宅用蓄電池に回して電力を備蓄することもできます。
人気のオール電化住宅とも相性が良く、停電時も電力供給が可能なため「電気代が安くなった」「災害時にも安心」という声が多く見られました。
メリット | 光熱費を削減できる。余った電気は電力会社に買い取ってもらえる。オール電化住宅と相性が良い。さまざなま値引きが多い。 |
---|---|
デメリット | 設置費用が高い。屋根に重さ負担がかかる。売電価格は下がっている |
シューズインクローク
シューズインクロークとは、玄関からつながる土間スペースに収納を設置したもののこと。土足で入れるため、大きな荷物の一時置きや外で使う道具をしまっておく場所としても便利です。天井まで届く大容量収納は、家族全員の靴をおいても、まだ余裕があるかもしれませんね。
「玄関が散らからずにすむ」「来客の際もあわてて玄関掃除をしなくても大丈夫」といった声が見られました。
メリット | 玄関が散らかりにくい。靴が玄関にあふれることがない。ガーデニングや子どもの遊び道具など、外で使うアイテムの保管場所としても活用できる。 |
---|---|
デメリット | 玄関がさらに狭くなる可能性がある。 |
全館空調
全館空調とは、家のどの場所も同じ温度に保ってくれる空調設備のこと。居室と廊下、脱衣所などで温度差がなく、冬場のヒートショックも防げます。24時間の自動換気で、ホコリや排気ガスをシャットアウトできる点も魅力です。
「部屋の出入り時に暖かい空気が逃げる心配がなくなった」「お風呂場やトイレも暖かい」といった点をメリットとして感じる方が多いようです。
全館空調はメーカーによって、「天井吹き出し型」「壁パネルふく射型」「床下冷暖房型」「壁掛けエアコン型」など、仕組みや仕様もさまざま。まずは建築会社に相談してみるのがおすすめです。
メリット | 居室ごとにエアコンを設置する必要がない。家じゅうどこに行っても、温度が一定。ヒートショックのリスクが軽減できる。外気にかかわらず、家の中の空気が快適。 |
---|---|
デメリット | 設置コストがかかる。冬場は室内が乾燥しすぎるおそれがある。 |
メンテナンスフリーの外壁
外壁は常に風雨にさらされているため、放っておくと年数以上に古びた印象を与えやすい部分。しかし面積も大きく、高い場所もあるため、自力でのメンテナンスは大変ですよね。
この悩みを解決してくれるのが、メンテナンスフリーの外壁です。素材やつなぎ方に工夫をほどこすことで、必要なメンテナンスの回数を大幅削減!20〜30年の保証がついており、その間はほぼ放ったらかしでOK!という手軽さが人気の秘密です。
完全にメンテナンスが不要というわけではありませんが、お手入れの回数が激減するのは魅力といえるでしょう。
メリット | 外壁メンテナンスの回数が減り、手間もコストも削減。外壁の種類が豊富。 |
---|---|
デメリット | 費用は素材により大きく異なる。中には高額なものも。素材によって特徴が違うため、慎重に比較する必要がある。 |
スマートドア
スマートドアとは、カードやリモコン、スマホで施錠・開錠ができるドアのこと。両手がふさがっていても、カード等を持っている人がボタンを押す、あるいはカード等を近付けるだけでドアが開くので、荷物が多いときにも便利です。
離れた場所からも鍵の開閉ができます。車のキーレス機能と似たシステムだと理解してください。
外に出たら子どもが急にトイレに行きたくなった!といった、急いでいる場面でとても便利だという声が見られました。
メリット | 手がふさがっているときの開錠・施錠が楽。鍵紛失時のトラブルが少ない。子どもでも簡単に施錠できる。 |
---|---|
デメリット | 電池式は電池交換が必要。オートロック機能により締め出されるケースもある。通常の鍵に比べて割高。 |
「いらなかったかも」の声もある設備オプションの例
オプションのなかには、「必要だと思って付けたが、いらなかったかも」「思っていたより使わなかった」という声が見られるものもありました。
導入に当たり、慎重に検討したほうが良いオプションについて解説します。
ウォークインクローゼット
人が中に入れるサイズのクローゼットが、ウォークインクローゼットです。間取り図では「WIC」と書かれます。注文住宅の場合は、2〜3畳ほどをウォークインクローゼットにする方が多いようです。
たくさんの物を一か所に収納できる点が魅力。人が歩いて入れるスペースなので、大きなものでも安心です。
ただ、広すぎてかえって使いづらいという声もありました。収納した物を使う場所が離れていると、結局使う場所の近くに置いてしまうケースも。
家の大きさによっては、ウォークインクローゼットを配置することで、他のスペースを圧迫してしまうこともあります。間取りを考える際、設計士とよく相談することが大切です。
LEDダウンライト照明
ダウンライトとは、天井に埋め込むタイプの照明器具のこと。小さな筒型のライトが、1つ1つは狭い範囲を照らします。いくつか設置して使うのが一般的。
天井がフラットになり、部屋全体がすっきり見える点が魅力です。見た目がおしゃれな点を導入のきっかけとしてあげる方もいました。電球をLEDにしておけば光熱費もかからず、耐久性もあるため、交換の手間は10年に1度程度と言われています。
ただ交換は、電気工事士の資格を持った人でないとできません(資格を持たない人の交換は法律で禁じられています)。電球の交換にわざわざプロを呼ばないといけないのが面倒、という声がありました。
さらに広範囲を照らすには数多くのライトが必要になり、初期費用がかさむという声も。ダウンライトは家での過ごし方に合わせて、ポイントで使うという方法も検討してみましょう。
浴室乾燥機
浴室に乾燥器を付け、換気や冷暖房機能を持たせたものが、浴室乾燥機です。浴室内を乾燥させてカビを防ぐ効果が期待できるほか、冬場の暖房はヒートショックを防ぎ、雨の日に洗濯ものを干す際にも使えます。
しかし実際に使ってみると、「思ったほど洗濯ものが乾かない」「電気代が結構かかる」という理由で、いらなかったかもと感じている方が多いよう。
洗濯ものを干している時間はお風呂に入れない点で、家族が不便さを感じることもあるようです。
お住まいの地域の晴天率やドラム式洗濯乾燥機の有無なども踏まえて、検討した方が良いかもしれません。
床下収納
住宅の床下はデッドスペース。そこを利用して収納空間にしたのが、床下収納です。キッチンにあるイメージが強いかもしれませんが、配管など構造上不可能な場所でなければ、家のどこでも設置できます。
床下は日光が当たらず温度も一定。長期保管の食材や、普段は使わない道具をしまっておくのにピッタリ。収納スペースを簡単に増やせるのも便利ポイントです。
ただ開閉部の上に乗るとパカパカする、物を取り出すときにかがまないといけないから大変、結局使わなくなった……、という声もあるよう。
床下収納を作ることで床の強度も落ちるので、作ってみたいと思ったら建築会社に相談してみるのがおすすめです。
ジェットバス
ひと昔前に人気だったオプションが、ジェットバス。浴槽の横や下から細かい気泡が出るジェットバスは、たしかに気持ち良いですよね。「家で毎日ジェットバスに入れたら!」と思い描く方も多いようです。
ただ、掃除に手間がかかることもあり、近年は見る機会も減ってきました。定期的にジェット口部分のゴミを掃除しないといけない点や、湯垢がたまりやすい点が「面倒」と感じられているようです。
まとめ|設備オプションは口コミや専門家の意見も参考に!
失敗しないオプション選びには、家族のライフスタイルや居住地の風土をよく踏まえ、予算に収まるように決めることが大切。
またオプションは種類が豊富で迷いやすいので、設計士や建築士、工務店、ハウスメーカーなどプロの意見も積極的に取り入れましょう。もし「高いものを売ろうとしているな」と感じる営業マンがいたら、その建築会社との契約は見直すべき、というサインかもしれません。
また先に導入している人のクチコミも参考になります。TwitterやInstagramでもたくさん見つかるので、ぜひ探してみてください。
私たち木のんホームでも、もちろんご相談を承ります。
ご家族構成や日々の生活動線を踏まえ、ご希望も良くお聞きした上で最適なものを提案させていただきます。
まずはお気軽にお声がけくださいね。