賃貸住宅には賃貸の、持ち家には戸建ての魅力があります。どちらも捨てがたく、迷っているうちに時間だけが過ぎていく…、という人も多いかもしれません。
ただし持ち家は「試しに持ってみる」ことができない金額なのがネックです。購入にはそれなりの覚悟と準備が必要で、だからこそ賃貸と迷う原因にもなります。
今回は南九州市にスポットを当て、賃貸と持ち家のどちらがおすすめか検証します。実際に必要な費用もシミュレーションしました。
理想の住まいを見つけるヒントとして、ご活用ください。
<筆者について> 20年あまりの賃貸生活(引っ越しは13回)を経て、縁あって昨年末に一戸建てを購入しました。目下、最新住宅の性能と暮らしやすさに、季節が巡るたびにおどろかされる日々です。 この記事は筆者の「1Rから一軒家まで、あらゆるタイプの賃貸物件に住んだ経験」と「最新戸建住宅で暮らす日々」からくるさまざまな実感を踏まえ、熱量たっぷりめに書いています。 |
【南九州市】賃貸住宅の相場
南九州市にあるファミリー向け物件(2LDK~3DK)の家賃相場をチェックしましょう。
季節によって変動がありますが、おおむね4.5~5.25万円で推移しているのがわかります。
(※ 参考:【アットホーム】南九州市の家賃相場から賃貸の物件を探す)
3DKより広い間取りがとれる「3LDK」以上の物件は、調査日時点では見つかりませんでした。ファミリー層の賃貸暮らしは、手狭に感じる場面も出てくるかもしれません。
【南九州市】賃貸住宅で暮らし続けるメリット
賃貸住宅には、持ち家にはないメリットがあります。このメリットを好み、敢えて賃貸暮らしを選択する人もいます。
賃貸住宅ならではのメリットを、3つ見ていきましょう。
住宅を所有しなくて済む
所有しない生活は、何かと身軽です。住宅を所有していなければ、転居も住み替えも自由です。退去後の住宅に対する責任もなく、すぐに新生活に移行できます。
住宅の所有を「地域に対する拘束」と感じ、移動の自由を制限させることにストレスを感じる人は、賃貸住宅が向いているでしょう。
大きな修繕は貸主が負担してくれる
賃貸住宅では、経年劣化・通常の使用による摩耗を修繕する場合は、貸主負担になります。借主は電球の交換や清掃など、日常のこまごまとした修繕だけすればOKです。
◎ 賃貸住宅で貸主負担で修繕される例
- エアコンの故障
- 水道管からの漏水
- ガス・電気設備の不具合
持ち家なら発生する屋根や外壁、外構部のメンテナンスをする必要もありません。家の修繕にかかる費用は、賃貸住宅のほうが圧倒的に少なくて済みます。
<注意> 故意・不注意による破損の修繕は、借主負担となります。また契約書に特例として明記されている負担配分もあるため、注意しましょう。 修繕費を貸主・借主のどちらが負担すべきかは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が参考になります。 |
近隣との付き合いを最低限で済ませられる
近所づきあいをあまりしたくない人にも、賃貸住宅が向いています。
知らない人同士が同じ建物に住む賃貸住宅では、入居者同士の関係性も稀薄です。また町内会への加入を免除・減免されるケースもあります。
筆者は同一市内で3回転居しましたが、賃貸住宅に住んでいるあいだは町内会とは無関係でいられました。割引された町内会費さえ支払っていれば、集まりや区内清掃などへの参加も不要でした。
持ち家に住む今は町内会に加入し、集まり・清掃などにも参加しています。
【南九州市】賃貸住宅で暮らし続けるデメリット
メリットばかりに見える賃貸住宅にも、デメリットはあります。賃貸住宅で暮らす以上、知っておかなければならないデメリットを3つ解説します。
家が狭く感じる可能性がある
お子さんのいるファミリー層にとって、南九州市の賃貸住宅は「十分に広い」とはいえない物件ばかりです。
広い物件でも「間取り2LDK・面積58m2」という家ばかりで、お子さんの成長にともなって手狭に感じる場面も増えてくるでしょう。
未就学のうちは「家で伸びのびと遊ばせてやれないこと」にストレスを感じ、学校に通うようになってからは「子どもの持ちものを置く場所がない」「勉強スペースを確保できない」と悩む可能性があります。
家族にとって使いやすい間取りではない場合がある
賃貸住宅は、土地の面積と形状を最大限に活用できる間取りで建てられます。物件によっては、かならずしも住む人にフレンドリーとはいえない間取りになることもあります。
キッチンとリビング、水回りの位置関係は、毎日の家事効率に影響します。寝室と玄関の位置関係によっては、遅い帰宅になる家族の音をうるさく感じる場面もあるでしょう。
最適な間取りは、住む人のライフスタイルによって異なります。しかし賃貸住宅は間取りが決まってしまっているために、暮らしにくいと感じる面があることも押さえておきましょう。
階下・隣家に気をつかう
「おたがいさま」とはいえ、生活音は気になるものです。お子さんがいるお宅はとくに、「迷惑になっていないか」「うるさく感じさせていないか」と心配する場面もあるのではないでしょうか。
反対に、隣家や上下階からの生活音や声が気になってしまう場合もあります。
賃貸住宅は居住スペースの面積を確保するために壁厚が薄い場合も多く、これも音を通しやすい要因となっています。
「家の中を思い切り走り回らせてやりたい」「音を気にせず、ピアノの練習をさせたい」と考える人は、持ち家も検討してみましょう。
【南九州市】持ち家を購入するメリット
持ち家は開放感と自由度が魅力です。持ち家購入を機にライフスタイルがガラッと変わり、QOL(Quality of life・生活の質)が上がったと話す人もいるほどです。
持ち家のメリットを、3つ紹介します。
広い家で伸びのび暮らせる
持ち家は、賃貸住宅より広々とした家で生活できます。
近年はコンパクトハウスと呼ばれる、延べ床面積30坪(99.17m2)以下の家が増えていますが、コンパクトハウスでも南九州市の賃貸物件の面積(60m2以下)と比べると格段に広くなります。
リビングを子どもが走り回る姿を広いキッチンから眺めたり、テラスを設置してアウトドアリビングにしたりという暮らし方は、持ち家ならではでしょう。
理想の間取りや住宅設備を導入できる
持ち家は、希望の間取りや住宅設備を選べる点もメリットです。以下に、最近人気の間取りや設備をまとめました。これらがもし我が家にあったら…、と想像してみてください。
毎日の生活が、もっと楽しく充実したものになりそうではありませんか?
◎ 人気の間取り ・LDKと水回りの家事効率がアップする「回遊動線」 ・洗濯と物干しを一か所で済ませられる「ランドリールーム」 ・BBQやホームパーティーができる「アウトドアリビング」 ・階段下のデッドスペースを活用した「ヌック」 など |
◎ 人気の設備 ・いつでも家中が均一の室温に保たれる「全館空調」 ・窓を開けなくても24時間換気ができる「第一種換気設備」 ・熱の出入りが激減、結露知らずの「複層ガラス」 ・28cmのフライパンも入る「深型食器洗乾燥機」 など |
数多くの賃貸物件で暮らし、最新の戸建住宅を購入した筆者は住宅性能の素晴らしさに日々感動しています。
暑くなく寒くない高断熱・高気密の家は、ぜひ一度体感してみてほしいと思います。
ガーデニングや家庭菜園も楽しめる
持ち家は土地付きで購入します。家の周囲の土地で、ガーデニングや家庭菜園を楽しめるのも持ち家ならではの楽しみです。
庭は家の外観とテイストを合わせると、統一感がありおしゃれな印象になります。シンプルな家なら黒やモルタルを基調とし、ナチュラルテイストの家ならレンガや植栽を活用してみてください。
雑草や虫が苦手な人は、人工芝やコンクリートを活用してリラックス空間を作ってみましょう。ライトアップを施せば、夜にちょっとお酒を飲みたくなる場所ができあがります。
【南九州市】持ち家を購入するデメリット
持ち家の購入は、デメリットを押さえておく必要があります。賃貸住宅にはない、持ち家ならではの注意点を2つ解説します。
所有にともなう責任が発生する
「家を所有する」のは、思っている以上に責任がともないます。
税金面では購入時の不動産取得にくわえ、毎年の固定資産税の支払いが必要です。家と外構のメンテナンスも、自己責任になります。
家の修繕は10年から30年のスパンで行います。屋根や外壁のメンテナンス費用も貯めておかなければなりません。
破損した部品の飛び散りや落ち葉で隣家に迷惑をかけないよう、定期的なチェックも必要です。
簡単には住み替えができなくなる
家は、ずっと住み続ける前提で購入します。賃貸住宅のように「転勤になった」「家に飽きた」「子どもが進学した」などの理由で、簡単に引っ越しはできません。
どうしても引っ越しが必要になったときは、所有している家の処分が必要です。不動産会社に売却の申し込みをし、必要な手続きを済ませなければなりません。
退去通知だけで引っ越しできる賃貸住宅とは、大きく異なるポイントです。
【南九州市】家賃支払いと住宅ローン、どちらがお得?
南九州市で暮らす人にとって「賃貸住宅で家賃を支払い続ける」「持ち家を取得し住宅ローンを払う」のどちらがお得なのでしょうか?
相場を踏まえながら、生涯にかかる費用をシミュレーションしてみましょう。
賃貸の家賃支払額シミュレーション
生涯、南九州市の賃貸住宅で暮らす費用をシミュレーションします。
条件は以下のとおりです。
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<家賃>
1年間の家賃:66万円(5.5万円×12か月)
1年間の駐車場代:12万円(1万円×12か月)
→ 1年間にかかる家賃総額:78万円
→ 60年間にかかる家賃総額:4,680万円
<引っ越し費用>
160万円/2回
<更新手数料>
56万円(60年で60万円・引っ越し2回分×2万円を差し引き)
<火災保険料>
84万円(60年で90万円・引っ越し2回分×3万円を差し引き
【合計】 30歳から90歳までを家賃6万円で暮らし続けた場合にかかる費用は 4,980万円 |
生涯を賃貸で暮らす場合の注意点
南九州市の賃貸住宅は、家賃相場が抑えめです。一生を賃貸でくらしても、都市部ほどの費用はかかりません。
ただし賃貸住宅の供給量そのものが多くはない点に注意しましょう。とくにシニアになってから、希望の家に住めるかどうかは不確定です。
人気エリアの賃貸住宅は空きが出にくく、希望の学区に住めるとも限りません。
賃貸を希望する人も、一度は持ち家を検討してみることをおすすめします。自分たちに合う家を手にするコストと比較し、総合的に判断しましょう。
持ち家の総負担額シミュレーション
南九州市で戸建住宅を購入した場合に必要な費用をシミュレーションします。
条件は以下のとおりです。
●30歳で住宅を購入、35年ローン 物件価格は2,800万円(土地800万円+建物2,000万円) 自己資金500万円 融資手数料50万円、保証料なし 金利は全期間固定、年1.1% ●住宅メンテナンス費用として以下を計上 外壁修繕:200万円 屋根修繕:50万円 設備交換:150万円 ●不動産取得税・固定資産税および外構メンテナンス費用は除外 |
<住宅ローン>
総返済額:27,721,063円
<修繕費>
400万円
【合計】 30歳で3,000万円の土地付き戸建て住宅を購入した場合の費用は 借入金返済 約 2,800万 円自己資金 500万円 修繕費 400万円 → 合計 約3,700万円 |
持ち家を取得する場合の注意点
持ち家の購入で住宅ローンを利用する場合、借入時の年齢が低いほど月々の返済額を抑えられます。
3,000万円を借りる場合で考えてみましょう。
25歳の人は住宅ローンの最長返済期間・35年を選択できます。3,000万円を35年で割ると、1年あたりの返済額は約85万円、1か月の返済額は約7.1万円です。
ところが40歳で借り入れようとすると、定年退職の65歳までは25年しかありません。同じ3,000万円を25年で返済する必要があるため、1年あたりの返済額は120万円、1か月の返済額は10万円に跳ね上がります。
(※ いずれの計算も金利は考慮していません)
家は「いつ買うか」が重要です。お金の専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)や家の専門家である工務店に相談し、実際にシミュレーションしてみることをおすすめします。
【南九州市】賃貸か持ち家か迷ったら、家づくり勉強会で相談してみよう
賃貸か、持ち家か。
この答えは、家族の数だけあります。
ただし「成功しやすい家づくりのコツ」というものは存在します。南九州市で注文住宅を手掛ける木のんホームが主催する、賢い家づくり勉強会でコツを聞いてみませんか。
賢い家づくり相談会とは
賢い家づくり相談会は、木のんホームが定期的に開催している家づくりに関するセミナーです。
「性能を下げずに価格を下げる方法」「お得な土地の見つけ方」など、家を建てるひとなら知っておきたいここだけの情報がもりだくさん!
参加は無料で、お越しいただいた方には特典やプレゼントもあります。これまで96%の参加者にご満足いただいている賢い家づくり相談会に、まずはお越しください。
木のんホームならコスパの良い家づくりが叶います
木のんホームの家は、アトリエ建築家が設計する「デザイナーズ住宅」です。
ハウスメーカーのように決まった規格にしたがって建てなければならない、という制約はありません。
建築家が、住む人の希望をしっかりお聞きし、すみずみまで希望が反映された住宅をご提案します。
木のんホームがこれまで建ててきた住宅は、YouTubeやInstagramで紹介しています。オシャレでカッコよく、そして住みやすい家をチェックしてみてください。
まとめ
賃貸は「いつでも住み替えできる」「住宅を所有しなくて良い」点がメリットです。ただしシニアになってからの住居確保に苦労する可能性や、生涯家賃を支払い続けないといけない点を考慮しなければなりません。
持ち家があると、住む場所には一生困らなくて済みます。好みの間取りや設備を取り入れた、質の高い生活ができる点も魅力です。固定資産税や修繕費など、入居後も費用がかかる点は押さえておきましょう。
賃貸と持ち家のどちらが良いかは、一度プロに相談してみるのがおすすめです。思ってもいなかったヒントが得られ、決断が一気に近付くかもしれません。