こだわりの注文住宅を建てたはずなのに、「後悔している箇所がある」と考える人は少なくありません。
とくに「間取り」「住宅設備」「収納」は、生活に密着する部分なだけに後悔する人が多いようです。
でもせっかく、数千万円をかけて建てる注文住宅です。存分にこだわりたいですし、後悔もしたくありませんよね。
では失敗しないこだわり、後悔しないこだわりには、何かコツがあるのでしょうか。
この記事では、カッコよくて高性能な家をつくる木のんホームが、注文住宅でこだわるべきポイント・こだわらなくても良いポイントを解説します。
最後まで読むと、きっと理想の注文住宅の建て方がわかります。
注文住宅はこだわり始めると「沼」…!
注文住宅は細部まで理想や希望を反映できる分、こだわり始めるときりがないといわれます。
Instagramを見ても「#注文住宅」の投稿数は、実に411.5万件!(2022年11月時点)
真似したいアイディアが無限に登場し、インスタ投稿の保存数が膨大になる人も大勢います。
注文住宅はどこまでもこだわれますが、どこかで仕様を決めないと建物の建築に進めません。
「注文住宅はこだわり始めると“沼”である」とはじめに押さえ、優先順位をつけて考えることが大切です。
こだわりすぎると、こだわりすぎたための失敗も起こりやすくなります。
こだわりすぎた注文住宅がおちいる失敗例
こだわりすぎた注文住宅が、おちいりやすい失敗の代表例は次の3つです。
- 「あれもこれも」と加えすぎた結果、使いにくい・意外と使わない
- 「あのインスタみたいな家に住みたい」と真似したが、使いにくい
- こだわり過ぎて建物だけで予算オーバー、外構工事ができず総合的に不満足
ぜひ、Instagramで「#後悔ポイント」を検索してみてください。先に注文住宅を建てた人の、「こだわったはずなのに、思ってたのとチガウ!」ポイントが見られます。
ここはこだわるべき!注文住宅の設計ポイント
注文住宅には、「こだわるべきポイント」と「こだわりすぎない方が良いポイント」があります。
こだわったほうが良いのは、毎日の生活に密着した部分です。毎日のストレス度合いにも影響をあたえるため、生活全体の質(QOL=Quality of Life)を決定づけます。
注文住宅でこだわった方が良いポイントを、5つ解説します。
家事動線
動線とは、人やモノが動くときの経路です。「家事動線」は、家事をする際に人がどのように移動するかをあらわします。家事は毎日のタスクなので、家事をしやすい動線を確保しておくと満足度アップにつながります。
最近人気なのは、「回遊動線」です。「料理-洗濯-干す」「買い物から帰宅-食品をしまう-ゴミを片づける」など、一連の動作になりやすい家事を止まらずにできる動線をさします。
一方向に進みながら家事ができる利便性は、住んでみると実感できます。「戻る」という余計な動作がないと、これほどまで家事が時短できるのかと驚くはずです。
ただし回遊動線を作るには、動ける「通路」が必要です。間取りによっては居室スペースを圧迫してしまう可能性もあるため、設計士とよく相談しましょう。
間取り
ずっと住む家、「間取り」もこだわりたいポイントです。
とくに、家族が長い時間を過ごすリビングにこだわるケースが多く見られます。
◎ リビングのこだわりポイント
- 広さ
- 和室スペースを併設するか
- 開口部の大きさ・向き
- ウッドデッキの有無
- 吹き抜けの有無、天井高
- リビング階段を採用するか
- テレビを壁掛けにするか
- 床材
- クロス(アクセントクロスやエコカラット) など
また子ども部屋を設ける場合は、どれくらいのスペースで何部屋つくるかよく考えましょう。子どもが巣立った後まで想定できるとベストです。
収納
収納は、用途に合った場所に・適度な広さで確保します。
人気の収納は、次の3つです。
◎ 利便性から人気が高い収納3か所
- シューズクローゼット(シュークロ)
- パントリー
- ファミリークローゼット
シュークロとは、玄関に隣接させた人が入れる広さの収納です。大量の靴やお子さんの外遊び道具、ガーデニング用品、コートなど、室内には持ち込みたくないものをしまっておけます。
パントリーはキッチンに隣接した食品収納庫です。ストック食材やお米のほか、キッチンで使う道具や家電、ゴミ箱・ゴミ袋なども置いておけます。「キッチンの生活感をできるだけ隠したい」と、冷蔵庫をパントリーに収納する例もあります。
ファミリークローゼットは、名前のとおり家族全員分の衣類をしまう収納です。家族の居室にクローゼットを設けず1か所に集約することで、洗濯ものの片づけがスムーズになるメリットがあります。洗濯機・室内物干し場があるランドリールームと隣接させる間取りが、とくに人気です。
外観
外観は生活には直結しませんが、「毎日目にする」という理由でこだわりたいポイントです。毎日、外から帰ってきたときに「良い家だなあ」と感じられるか、「やっぱりこうすればよかった」と後悔するかは、注文住宅を建てた満足度にも影響しかねません。
外観で家の個性を出せるポイントは、次の3つです。
外観とあわせて、外構もはやめに計画をスタートさせましょう。外構は家とセットで設計することで一体感が生まれます。
◎ 外観でこだわりたいポイント
- 屋根の形状
- 外壁材
- 窓の位置、大きさ、形、バランス
性能
住宅は、持つ性能によって暮らしやすさが大きく変わります。
次の4つのポイントは、安全性や快適性に直結します。こだわって後悔はありません。
◎ 住宅の性能でこだわりたいポイント
- 耐震等級
- 断熱性能、気密性能
- 冷暖房システム
- 換気システム
耐震等級については、こちらの記事を参考にしてください。
断熱性能や気密性能は、それぞれ「UA値」「C値」という数値で示されます。いずれも数値が小さいほど、高断熱・高気密住宅となります。
住宅の性能が高いと補助金が利用できる場合もあります。高断熱・高気密の基準を満たした住宅が利用できる「ZEH補助金」が代表例です。
ここはこだわりすぎなくてもOK!注文住宅のポイント
こだわり過ぎても、予算がかさむだけで満足度アップにつながりにくいポイントを3つ紹介します。
ただし、施主の好みがあらわれる部分でもあります。生活スタイルや家族の意向を踏まえ、十分検討して決めるようにしましょう。
過剰な設備
注文住宅の設計にテンションが上がり、設備をつい過剰にしてしまうのは失敗の典型例です。過剰な設備は使われることが少なく、「お金をかけたのにもったいない」となりやすいため気を付けましょう。
過剰になりやすい設備の例は、以下のとおりです。
◎ 過剰になりやすい設備
- 浴室テレビ
- 保温機能・自動洗浄機能付きのお風呂
- ダウンライト
- 外壁材・クロス
- 吹き抜け
- 天窓
数千万円単位の家づくりをしていると、数十~百万円程度でつけられる設備を「安い!」と感じるマジックにかかります。
しかし、数十万円も積み重なれば数百万円になり、予算を圧迫するでしょう。
設備を導入する前は、本当に必要か冷静に考える癖をつけましょう。
フリースペース
「何かのときに便利そう」「あれば使うかも」と、目的がないまま設置したフリースペースも、デッドスペースとなるおそれがあります。
“何かのとき”は永遠に来ず、結局子どものおもちゃ置き場になった、などの声がSNSでもよく見られます。
住宅に使える面積は限られています。目的のないスペースは極力削減し、家族の役に立つ場所にした方が後々の満足度は上がるでしょう。
バルコニー・ベランダ
近年はバルコニーやベランダのない家が増えています。
「共働きで洗濯ものを外に干せない」「ドラム式洗濯機があるので、洗濯が室内で完結する」、また「洗濯ものや布団が干してあると、おしゃれに見えない」などが理由です。
バルコニーやベランダは、「当然、あるもの」として設計されやすいのですが、いまいちど本当に必要か考えてみましょう。
「室内干しの習慣がある」「ドラム式洗濯機を持っている」「洗濯ものを2階まで持っていくのが大変」などの人は、バルコニー・ベランダがなくても良いかもしれません。
バルコニー・ベランダは雨ざらしとなるため劣化が激しく、定期的なメンテナンスが必要です。そもそも設置しなければメンテナンスフリーになる点も、見逃せません。
等身大のこだわりを詰め込んだ注文住宅を建てるコツ
注文住宅を建てる際は、「ライフスタイルに合ったこだわり」を十分反映させると後悔や失敗がありません。
では、等身大のこだわりが詰まった注文住宅は、どうすれば建てられるのでしょうか。一生に一度の注文住宅で失敗しないために、3つのコツを押さえておきましょう。
話をじっくり聞いてくれる工務店を選ぶ
注文住宅づくりの成否は、工務店やハウスメーカー、また担当営業マンとの相性にかかっているといっても過言ではありません。
相性が合う工務店と出会えると、「この人に家を建ててもらいたい」「この人が売る家に住みたい」と思えるものです。反対に相性が合わない場合は「打ち合わせの度に憂鬱」「良い家を建てるつもりがあるのか、不信感しかない」といった印象になります。
以下のチェックポイントを参考に、工務店との相性を見極めてみてください。
◎ 良い工務店(ハウスメーカー)、営業マンの特徴
- こちらの話をよく聞いてくれる
- こちらの希望を汲み取り、形にしようと努力している
- 専門用語を多用せず、わかりやすく解説してくれる
- メリットもデメリットも、公平に説明してくれる
- 身だしなみや言葉遣いなどに不快がない
- こちらの確認を取りながら進めてくれる
- 契約を前提とした話し方をしない
- こだわりが実現できない場合、代替案を提案してくれる
上記の反対の態度をとる工務店は、自社の利益しか考えていない可能性があります。
施主の御用聞きではなく、「良い家をつくろう」「こだわりを実現しよう」と積極的に提案してくれる工務店を選ぶようにしましょう。
「本当に必要か」を吟味する
そのこだわりは、本当に必要でしょうか?
この問いに自信を持って「YES」と答えられないこだわりは、過剰かもしれません。
注文住宅は建売住宅とは異なり、こだわろうと思えばどこまでもこだわることができてしまいます。だからこそ、「あれもやりたい、これもやりたい」と過剰になりやすいのです。
しかし、「週末にBBQをしたくて作った屋上」が使われずじまいだった、「来客があったときのために」と作った和室がデッドスペースになった、という声はよく聞かれます。
一方で、「予算が安い浅型食洗機を入れたが、やっぱり大容量の深型食洗機が良かった」という後悔もあるのが事実です。
ライフスタイルを振り返り、本当に必要な場所・設備にお金をかけられるよう、こだわるポイントには注意しましょう。
ときには妥協も必要
こだわりすぎは設計の完成、そして着工を遅らせます。せっかく注文住宅を建てようと決めたのに、いつまで経ってもその家に住めない…ともなりかねないのです。
こだわるべきポイントにはこだわる、しかし時には妥協や折り合いもつけつつ、打ち合わせを先に進めることを優先させましょう。
多少、失敗したかな?と感じる箇所があっても、我が家はやはりくつろぎの場所、住むうちに慣れて気にならなくなるという声も多数あります。
鹿児島で高性能かつカッコいい住宅を建てるなら「木のんホーム」へ
木のんホームは、鹿児島に密着して40年以上になる「地元の工務店」です。現在は建築士とタッグを組み、「カッコよくて高性能な家を、リーズナブルに建てる」ことにこだわっています。
建築士が設計するため、どのような注文でも対応可能なのが木のんホームの強みです。「子どもと犬が伸び伸びできる家にしたい」「シニアになっても夫婦で楽しく暮らせる家にしたい」「最新の性能と設備を入れた暮らしやすい家にしたい」など、どんなご相談でもお寄せください。
家族が、生き生きと暮らせる家。
木のんホームがてがけた施工事例は、こちらからご覧ください。
まとめ
注文住宅は、こだわりを詰め込んだ「理想の家」を建てられる点が魅力です。
一方、どのようなこだわりも相談できる分、理想が増えてしまって迷ったり、決めきれずに打ち合わせが長引いたりといったデメリットもあります。
必要な箇所にはこだわり、過剰になりやすいポイントは標準仕様にするなど、メリハリを持つと満足度の高い家が完成します。
もしかしたら、100%満足できる家はないのかもしれません。限られた中で最適を実現するために、こだわるべき箇所に優先順位をつけて考えていきましょう。