災害に負けない!鹿児島で台風・豪雨・地震に強い家を建てるコツ

こだわりの注文住宅が、台風や豪雨のせいで住めなくなるのは悲しいことです。しかし近年は、大災害のニュースを年に何度も聞くことも珍しくなくなりました。災害に強い家づくりの必要性は、ますます増してきています。

今回は鹿児島をはじめ、南九州エリアで新築をお考えの方に、万一災害に遭っても家族が安心して暮らし続けられる家をつくるポイントをまとめました。

「台風」「豪雨」「地震」の3大災害に強い家づくりの参考にしてみてください。

鹿児島での家づくりは「災害に強い」ことが絶対条件!

いまや災害がない場所は日本国内にない、とさえ言われる時代です。鹿児島も例外ではありません。

鹿児島で家を建てる際にかならず考えないといけないのは、「台風対策」「豪雨対策」「地震対策」の3点です。

家づくりをするなら他人事ではない災害について、鹿児島エリアの特徴を詳しく知っておきましょう。

鹿児島の台風・豪雨

鹿児島は、日本でもっとも台風が上陸する都道府県です。その数は統計開始以来、42回!2位の高知県が26回ですから、鹿児島の台風上陸回数はズバ抜けて多いといえます。

また近年は鹿児島への上陸回数も多くなる傾向にあり、2013年に1回、2014年に2回、2016年に1回上陸しています。鹿児島は南側から来る台風に加え、九州西側から来る台風も上陸うする経路にあることから、上陸回数が増えやすいのです。

また台風に伴う激しい雨による豪雨被害も増えています。2019年には鹿児島県南さつま市の大王川で堤防が決壊し、広範囲の浸水被害を引き起こした「九州南部大雨」がありました。

鹿児島はシラス台地が形成する急な崖や、火山灰・軽石が堆積した地層など、土砂災害が発生しやすい地形・地質である点も家づくりでは考慮しないといけません。

鹿児島の地震

鹿児島県は全国的に見ても地震が多い都道府県です。鹿児島で地震に備えるためには、次の3点を踏まえてください。

  • 鹿児島県北西部には活断層が複数あること
  • 桜島や開聞岳、霧島など活火山があること
  • 南海トラフ地震も考慮する必要があること

特に南海トラフで地震が起きた場合は、大きな被害が起きるおそれがあります。

県内42市町村(出水市を除く)は、「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されていること、太平洋沿岸部の8市町は全て「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」に指定されていることを知っておいてください。

土地の耐災害性をかならずチェック!便利サービス2つ

家を建てる際、建築予定の土地がどれくらい災害に強いかというチェックも大切です。

大雨による洪水や河川氾濫の危険度、地盤の強さなどを確認できるサービスを紹介します。どちらも会員登録などは不要です。

「国土交通省 ハザードマップポータルサイト」

国土交通省 ハザードマップポータルサイト」は、各自治体のハザードマップを確認できる国土交通省のサイトです。

引用:国土交通省 ハザードマップポータルサイト

画像は鹿児島市中心部の地図に、「洪水浸水想定区域」「土砂災害危険個所」を重ねたものです。

スマホでも操作可能、見たい地域を選択するだけで表示されます。

引用:国土交通省 ハザードマップポータルサイト

また「わがまちハザードマップを選ぶと、各市町村公開のハザードマップにすぐアクセスできます。自治体の問い合わせ先も表示されているので、頼りになりますね。

「地盤サポートマップ」

地盤サポートマップ」は地盤の情報がひと目でわかるサイトです。住所を入力し、見たい項目をクリックするだけで、地盤の強さが「強い」「やや強い」「ふつう」「弱い」の4段階で表示されます。

引用:地盤サポートマップ

画像は鹿児島市中心部を表示し、「地耐力」を表示させたものです。

地盤の強さのをあらわす地耐力のほか、土地の成り立ちや地震時の揺れやすさ、古地図、液状化の可能性なども確認できます。

引用:地盤サポートマップ |1974~1978年(昭和49~53年)の航空写真・鹿児島市主要部

「台風に強い家」とは?

ここからは台風・豪雨・地震、それぞれに強い家のポイントを解説していきます。まずは台風につきものの「強風」に耐える家の特徴から始めましょう。

台風では「家を飛ばされないこと」、また「飛来物による被害を最小限に食い止めること」の2点を重視してください。

「下から巻き上げる風」に飛ばされない屋根構造を

台風で屋根が吹き飛ばされるのは、軒下に入り込んだ風が下から巻き上げることが原因です。軒下には風が集中しやすく、また逃げ場がないので「下から巻き上げる」方向に力がかかりやすいのです。

住宅は、家自身の重みや重力など「上からかかる力」には強い構造をしていますが、台風対策が必要な鹿児島では、さらに「下からかかる力」への対策も考慮しないといけません。

画像の施工例のように、風のたまり場となる軒下をなくしてしまうのも、一つのアイディアです。

また屋根の面の数は、多いほど風の流れを作りやすいので、強風に強いといわれています。反対に傾斜が1方向だけだと1つの面で受ける風量が増えるので、風に弱くなります。

下の施工例は、風のたまり場となる軒下をなくしつつ、屋根が2面で構成される「切妻」形状を採用し、台風に強い家を実現した例です。

「引き抜く力」への対策も依頼して

台風時の風でもうひとつ怖いのが「引き抜く力」です。引き抜く力とは、構造の中心を担う「柱」を基礎から引き抜こうとする力のこと。

いくら構造が丈夫でも、いくら柱が丈夫でも、根本から引き抜かれてはどうしようもありません。最悪の場合は家全体が飛ばされてしまいます。

台風対策は屋根に目がむきがちですが、家全体を飛ばされにくくしておくことも重要です。

この辺りは構造の組み方や工法によってさまざまな対処法がありますので、施工業者に相談してみてください。

飛来物による被害を防ぐには「外壁」と「開口部」をチェック

台風では飛来物による被害も数多く見られます。台風では風速30m/sという風が吹きますから、瓦や物干し、トタン、自転車など、実にさまざまなものが飛んできます。こうした飛来物に耐える「外壁材」を使うことも、台風被害を最小限に食い止める重要ポイントです。

外壁材にはモルタルやタイル、サイディングという貼るタイプのもの、ALC(軽量気泡コンクリート)など、種類豊富です。外観イメージを左右するため、デザイン性についてばかりリクエストしたくなりますが、「強度」という面も注目し、注文住宅を設計してみてください。

また外壁よりサッシや窓ガラス部分の方が、どうしても強度は弱くなります。大きな窓は開放的でおしゃれですが、飛来物が窓を突き破ってくるおそれも捨てきれません。

外側に向いた開口部をできるだけ少なくすることも、有効な風対策です。

上の施工例は、テラスの外側をぐるりと外壁で囲みました。テラスを通して自然光を確保しつつ、外壁が外からの飛来物を防ぐ役割も果たしています。

開口部が少ない設計は、プライバシーも確保しやすいというメリットもあります。

可能なら防風林や防風柵を設置

敷地と予算に余裕がある場合は、防風林や防風柵を設置するのも風対策として有効です。防風林や防風柵は風を弱め、住宅への物理的な損傷を防いでくれるからです。

ただし住宅の周りをぐるりと囲むのは難しいケースも多いでしょう。近隣住宅がすでに防風林・防風柵を設置している土地を選ぶのも方法です。

また新築の場合は、植えた木が防風林として役割を果たすまでに成長するには、少なくとも数年はかかることも押さえておきましょう。

「雨に強い家」とは?

次は大雨に強い家を考えていきましょう。豪雨に強い家づくりは、「浸水を防ぐ」ことが最重要です。

浸水には「床下浸水」と「床上浸水」の2つがありますが、それぞれに対策した家づくりのポイントを解説します。

家に水を寄せ付けない構造にする

引用:「浸水の予防・人命を守る家づくり」(国土交通省)

水が家に入ってこないようにするために、家の位置そのものを高くすることは床下浸水・床上浸水対策ともに有効な対策です。

画像の左側2つが該当しますね。盛り土をして家の地盤を高くしてから住宅を建てる、あるいはピロティ構造など、高床式にするという方法があります。

土地条件によってかさ上げや高床が難しい場合は、敷地の周りを防水壁で囲んだり、建物そのものを防水性の外壁でガードしたりということも考えられます。

大雨時は急に水かさが増します。その時になって対策をほどこすのは危険!

「水をよせつけない構造」の家こそが、雨に強い家だといえます。

床上浸水に備えた間取りにする

それでも水が入ってきてしまった場合に備え、床上浸水の被害を最小にする工夫も行っておきましょう。

  • コンセントを高い位置に配置する
    エアコン室外機や給湯器は、想定水位より上に設置する
    →浸水しても電化製品が使えるように
  • ブレーカーは1階用と2階用で分けておく
  • 2階でも水回りを使えるようにしておく
    →万一、1階が水没しても2階で生活できるように
  • 階段を幅広にし、踊り場を広くとる
    →1階の家具や電化製品の避難場所として

あらゆる可能性を想定し、細やかな工夫をほどこしておくと安心です。また地域の特性を熟知した施工業者ならではのアイディアがあることも。家族の安全のために、積極的に聞いてみるといいですね。

窓や屋根の「水密性」を高める

浸水以外にも、大雨対策が必要なポイントがあります。それは屋根や外壁、窓の「水密性」を高めておくということ。

水密性とは、雨水の浸入をどれくらいの風圧まで防げるかを表す性能のことです。JISで等級グレードが決められており、台風に強い家を建てる際は必ずチェックしたい項目の一つです。

雨水は重力に従って上から下に入るほか、表面を伝わって入ってきたり、微妙な隙間から入ってきたり(毛細血管現象)、風によって内部に押し込まれたり、室内外の気圧差で移動した空気と共に入ってきたりします。

こうした一つひとつの雨水侵入経路に対策しておくこと、また窓サッシや建材は水密性にすぐれた商品を使うことも大切です。

注意!天窓やルーフバルコニーは雨漏りしやすい

ちょっとした隙間があれば、水は室内に侵入してきます。

天窓は雨がもっとも当たる屋根に穴を開けて作りますから、じつは非常に水漏れリスクが高いデザインなのです。

またルーフバルコニーは雨水がたまりやすいこと、防水処理が経年劣化しやすいことから、雨漏りの原因になりやすいといわれています。

鹿児島という台風対策が必要な地域の家づくりで天窓やルーフバルコニーを希望する場合は、雨漏りのリスクも踏まえて施工業者とよく相談することをおすすめします。

「地震に強い家」とは?

最後に「地震に強い家」を考えてみます。地震対策は「地盤」「基礎工事」「住宅の耐震性」の3視点がポイントになります。

地盤が強固な場所に家を建てる

どんなに耐震性の高い住宅を建てても、地盤がゆるければ地震のせいで家が傾いたり、沈み込んでしまったりすることも考えられます。

地盤が強いこと、これは地震に強い家を建てるときの大前提です。

お目当ての土地が決まったら、「地盤調査」を行います。地盤調査は地面の強度調査で、一般的には約5万円ほど。

また調査の結果、強度が不十分だとわかったら「地盤改良」をしないといけません。田んぼや沼、川や池を埋め立てたところは改良の必要がある場合が多く、余計な費用負担が発生します。

地盤改良がいらない場所を購入する、という視点も忘れずにいましょう。

基礎工事を入念に行う

家全体を支える「基礎工事」によっても、地震への強さは変わります。

基礎工事には、建物の下に鉄筋を通してコンクリートを流し込む「ベタ基礎」と、一階の壁の下だけに基礎を敷く「布基礎」という2つの工法があります。

布基礎よりベタ基礎は大きな面で家を支えられるので、耐震性は高くなります。

ただ材料も手間もかかるので、コストがかさみがちという点がデメリットといえるでしょうか。地盤が丈夫な場合は布基礎でも十分な強度を確保できるので、基礎の作り方についても施工業者に相談してみてください。

耐震基準をクリアした設計と構造で建てる

新築住宅は、最新の耐震基準に適合した設計でなければ建てられません。

現在適用されている耐震基準で求められる耐震性は、「震度5程度の地震でほとんど損傷せず、震度6強~7程度の地震でも崩壊、倒壊しないレベル」です。

さらに木造住宅の場合は新耐震基準をより強化する対応が義務付けられています。

ただし耐震性能を求めるほど、やはりコストはかかります。揺れを吸収する「制振構造」や揺れを伝えない「免震構造」など、構造の工夫も検討しながら、最適な耐震性能を見つけてください。

二階建てより平屋、複雑な形状よりシンプルな形状

地震に強い家は間取りを工夫することでも実現できます。地震に強い間取りのポイントは大きく2つ、「二階建てより平屋」「複雑な形状より、シンプルな形状」です。

一般的に、二階建てより平屋の方が地震に強いといわれています。これは平屋の方が建物そのものの重量が軽く、構造にかかる負担が少ないことや、風などの影響をうけにくく建物が傷みにくいといった点が理由になります。

ただ大雨対策を考えたときは、二階建てに軍配が上がるのも事実。また平屋では必要な部屋数が確保できない場合もあるかもしれませんね。

ライフスタイルと災害対策を広い目で見て、建築士に客観的なアドバイスももらいつつ間取りを決めると良いでしょう。

また家全体の形状は正方形や長方形など、整った四角形に近い方が地震に強くなります。四角形は、縦横、さらに上下の6つの面が互いに支え合い、一体化しているため、地震の揺れエネルギーが壁や地面を伝わって逃げやすいからです。

逆に凹凸がある、形状が複雑という住宅は揺れエネルギーが部分に集中しやすく、構造に負担がかかります。

地震に強い家を作るには、家全体の形状も大切だと押さえておきましょう。

木のんホームは「強く、住みやすく、かっこいい家」を実現します

木のんホームは鹿児島市と枕崎市に拠点を持つ、地元密着の建築会社です。建築用木材卸業として創業した歴史を持ち、木をふんだんに用いた「安らげる住宅」をつくりつづけてきました。

設計は専任の建築家が担当、お客様のライフスタイルを徹底的に考えつくし、強く住みやすく、そしてかっこいい家をご提案します。

建築家設計だから「こういう暮らしがしたい!」が叶います

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鹿児島密着45年!風土や地盤を熟知

木のんホームは鹿児島で創業し、間もなく45年を迎える会社です。ずっと地元で、一軒一軒の家づくりに心を込めてきました。

私たちがこだわるのは「住みやすく、おしゃれな家づくり」だけではありません。家が「強いこと」も大切に思っています。

ご存知の通り、鹿児島は台風をはじめとした天災が多い土地です。また標高の低い山地が多いという土地柄や、シラス火山灰に覆われた土地という特性もあります。

家を建てる際は、こうした鹿児島特有の条件にも対応していかないといけません。私たちは鹿児島で注文住宅を作り続け、鹿児島の気候風土や地盤にどこよりも詳しくなったと自負しています。

どんな家が鹿児島の災害に強いか、どんな家が鹿児島で暮らしやすいか、すべて知っています。あなたが鹿児島で初めて家を建てるなら、ぜひ一度私たちにご相談ください。

他社で建てることになったとしてもかならず役に立つ、「鹿児島で強い家を作るポイント」をお伝えします。

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まとめ

鹿児島で台風や豪雨、地震などの災害に強い家をつくるポイントを解説してきました。

風対策は屋根と外壁、雨対策は水を寄せ付けない設計、地震対策は地盤・構造・形状のそれぞれが重要なのでしたね。

家の一番大切な役割は、あなたと家族が安全に、安心して暮らせる場であることです。デザインや費用に加えて、安全性もさまざまな角度から検討してみてください。

耐震基準や水密性など、専門的な内容は信頼できる建築士や施工業者にわかりやすく説明してもらうのが良い方法です。納得できるまで、時間をかけて相談してみてくださいね。

この記事を書いた人

admin2021