平屋に必要な坪数はどれくらい?限られた土地に広く住むアイディアも解説

家全体に目が届きやすい、掃除などの家事がしやすいといった理由で、全世代的に平屋が人気です。ただ、平屋は『ある程度の広さの土地』がないと建てられないとも言われます。では「ある程度」とはどれくらいなのでしょう?

この記事では、実際何坪あれば平屋が建てられるのか、施工例や間取りを交えながら解説します。狭い土地でも平屋で広々暮らすアイディアも紹介していますので、最後までぜひご覧ください。

平屋は何坪あれば建てられる?

「平屋は100坪くらいの土地がないと建てられないのでは?」「平屋は土地が広くないと無理」、そんな話を聞いたこともあるかもしれません。しかし、コンパクトな生活が人気の近年、手頃な坪数の平屋住宅が増えています。

実際、何坪の土地があれば平屋は建てられるのか、実例も交えながら解説します。

結論!25~30坪あれば平屋は建てられる

結論を申し上げると、平屋は25~30坪ほどの延べ床面積で十分建てられます。私たち木のんホームが手がけた平屋も、25~30坪に収まる事例が数多くあります。

★ 豆知識 ★
25坪 → 約82平方メートル
30坪 → 約99平方メートル

<坪数に3.3を掛けると、平方メートルになります>

たとえば、画像の住宅は26.11坪です。

次の画像の住宅は、25.67坪です。

下の画像の住宅は、33.5坪です。

これから平屋を建てようとお考えの方は、「25~30坪」を床面積の基準として考えても良いでしょう。

もちろん、最適な坪数は家族構成やライフスタイルによっても異なります。次の章では、平屋に最適な坪数はどのように算出できるか、解説します。

平屋に最適な坪数はどうすれば分かる?

平屋を建てる最適な坪数を算出するには、「建ぺい率」「家族構成」「予算」という3つの観点を軸に考えるのがポイントです。それぞれの考え方を解説します。

建ぺい率から考える

「建ぺい率」とは、敷地面積に対してどのくらいの広さの家を建てられるかを示す数値です。建物の面積は「上から見た」時の面積が、土地全体のどれくらいを占めるか、という割合のことです。

似た指標に「容積率」がありますが、容積率は二階部分まで含めた延べ床面積で考える際に使います。平屋住宅の場合は「建ぺい率=容積率」となるため、容積率については考えなくてOKです。

建ぺい率は地域ごとに決められています。同じ坪数の土地でも建ぺい率によって建てられる家の広さが変わるため、建ぺい率は土地を決める前に必ずチェックしましょう。

◎ 敷地面積50坪の場合

建ぺい率建てられる家の面積
40%20坪
50%25坪
60%30坪

すでに土地を持っている、あるいはめどが立っている場合は、建ぺい率から建てられる家の坪数を算出してみましょう。計算した結果が25~30坪あれば、平屋は十分建てられます。

家族構成から考える

家族構成や人数によっても、平屋に必要な坪数は変わります。一例をご紹介しますので、参考にしてみてください。

夫婦2人:24~25坪

24~25坪の平屋は、ゆったりくつろげるリビングと夫婦それぞれの居室、ランドリースペースや収納が確保できる広さです。
広すぎず、狭すぎず手頃な坪数のため、コンパクトで効率の良い生活動線が設計できます。シニアになっても室内の移動を負担に感じることなく、安心して暮らせるでしょう。

夫婦2人と子ども1人:25~27坪

夫婦2人と子ども1人の3人家族には、3LDKの間取りが作れる坪数がおすすめです。ご夫婦の部屋と子ども部屋、広めのリビングが確保できます。和室を設置して書斎代わりにしたり、1部屋当たりをコンパクトにしたりすれば、夫婦それぞれの居室も確保できます。
水回りやランドリースペースなど、共有部分のレイアウトを工夫すると、間取りの自由度もアップします。

夫婦2人と子ども2人:28~30坪

3LDK、もしくは4LDKの間取りが必要になる4人家族には、28~30坪程度の平屋がおすすめです。坪数が大きくなると、中心部や北側の日当たり・風通しが悪くなります。L字やコの字型の設計にする、中庭を設けるなどして、家族全員が快適に暮らせる間取りを工夫しましょう。

予算から考える

一般的に、平屋は二階建てよりも建築費用が割高になります。同じ床面積の家を建てようとした場合に、基礎や構造、屋根などが全居室分必要になるからです。また平屋は、敷地面積も二階建てより広く確保しなければなりません。

一方で、家のメンテナンスにかかる費用は、平屋の方が割安だといわれています。屋根の修繕も足場なしでできるというのが理由です。

土地・建築・メンテナンス、それぞれにかかる費用を客観的に算出し、予算に収まる坪数の平屋を建てることも大切です。理想の坪数に手が届かなくても、間取りやレイアウトを工夫すれば広く暮らせます。次の章では、住みやすい平屋の間取り例を、坪数別に紹介していますので、ぜひご覧ください。

坪数別!住みやすい平屋の間取り例は?

20坪から35坪まで、住みやすい平屋の間取り例をご紹介します。理想の暮らしや実際に住んだ場合をイメージしながら、ご覧ください。

20坪

20坪でも平屋は建てられます。ご夫婦2人がゆったり暮らせる、1LDKの例をご紹介しましょう。

◎建築面積:20.54坪、延床面積:20.04坪

引用:住友林業の家

水回りを1か所に集めることで、家事動線をスムーズにしています。リビングダイニングは広めの18畳。寝室と合わせると28畳ですから、1部屋をコンパクトにすれば3部屋確保することも可能です。

25坪

25坪・2LDKの間取りをご紹介します。ご夫婦とお子さん1人、小さいお子さんなら2人まで暮らせそうです。

◎建築面積:24.54坪、延床面積:24.04坪

引用:住友林業の家

家の中心にリビングを配置し、左右に寝室と和室を作りました。お子さんがいる暮らしでも、家族それぞれのプライベートが確保できます。和室をフローリングにしても良いですね。

30坪

30坪の広さがあると、間取りにも余裕が生まれます。ご夫婦とお子さん2~3人、あるいはご両親との同居にもおすすめです。

◎建築面積:32.06坪、延床面積:31.31坪

引用:住友林業の家

L字型の間取りはすべての部屋で日当たりと風通しが確保しやすいため、広めの平屋におすすめです。土地が道路に面している場合は、家の向きを工夫することでプライバシーも確保しやすくなります。

35坪

35坪になると100平方メートルを越します。一部屋あたりの広さも確保しやすいため、大人数での暮らしにも向いています。

◎建築面積:33.06坪、延床面積:32.56坪


引用:住友林業の家

中庭を囲むコの字型の間取り例です。日当たりのよいリビングと、左右に配置された居室で、程よい距離感で生活できそうです。

坪数が少い平屋でも快適に暮らすアイディアは?

土地条件や予算などの兼ね合いから、理想の坪数が確保できないこともあるでしょう。しかし、土地が広くないからという理由で平屋をあきらめる必要はありません。手狭な土地や変形地でも、工夫次第で広く快適に暮らすアイディアを3つ解説します。

回遊型の動線を設計する

毎日の家事をいかにスムーズに進められるかは、暮らしやすさに直結する重要ポイントです。おすすめは家事動線を「回遊型」にすること。
回遊型の家事動線とは、行ったり来たりせず、ぐるっと回りながら家事ができるように作られた動線のことです。

食事の支度をしながら、キッチンの隣にあるランドリールームで洗濯をし、そのまま玄関に抜けて掃き掃除をして、リビング、そしてまたキッチンへと戻ってこれる動線などが、一例です。

水回りを1か所に集める、壁ではなく引き戸で空間を仕切るといった工夫を取り入れてみましょう。

空間にアクセントを設ける

家全体が見渡しやすい平屋は、空間にアクセントを設けることで実際より広く感じられます。取り入れやすいアクセントの例は、次のとおりです。

  • 1か所だけクロスの色を変える
  • アーチ型の出入口などデザイン性を持たせる
  • 勾配天井を取り入れる
  • 高窓・天窓にする

またフローリングの木目を視線に合わせると、広く見えることもあります。設計や内装の希望は、遠慮なく建築士・工務店に伝えるようにしましょう。

収納を意識的に配置する

階段下などのデッドスペースがない平屋住宅は、収納が少なくなりやすい点が盲点です。居室の広さにこだわり収納を減らした結果、モノがリビングにあふれるようになっては広く暮らせません。平屋では、収納スペースを意識的に作ることが大切です。

上の画像のように、ランドリールームと収納を一体化させた土間スペースを作るのもおすすめ。外からも直接入れるようにしておけば、お子さんの遊び道具の置き場所にも困りません。

キッチンの隣に勝手口を兼ねたパントリールームを作るのも便利です。いただいた野菜の保管場所や、ゴミの一時置き場、防災グッズやストックの保管場所としても活用できます。

まとめ

平屋は25~30坪ほどあれば建てられます。ただし、同じ25坪の平屋を建てる場合でも、建ぺい率によって必要な敷地面積は変わります。家族構成やライフスタイルから理想の間取り・坪数を算出し、建てられる土地を探しましょう。

もし土地がすでに決まっている場合は、間取りや内装の工夫でより広く暮らせるようになります。どのような生活を送りたいか、家での理想の過ごし方はなど、遠慮なく建築士や工務店に相談してください。

木のんホームは、住む人のこだわりを低価格で実現する建築会社です。専門の建築士が理想のライフスタイルをかなえる家をご提案します。まずはお気軽に、ご希望をお聞かせください。

この記事を書いた人

admin2021