注文住宅を購入するとき、ほぼすべての方に必要になる「住宅ローン」。
人生でたった一度かもしれない、何千万というローンです。無駄な利息の支払いや支払えなくなる危険は避けたいですよね。そのためには、金利の仕組みを理解し、ライフプランに合ったものを選ぶことが大切!
今回は「住宅ローン」に注目し、金利タイプ別にローンの種類を解説!自分に合った、無理のない住宅ローンを決める方法や、少しでも得する方法、忘れられやすい諸費用についても解説します。
住宅ローンは全部で3種類!それぞれの特徴を把握しよう
住宅ローンは「金利の種類」によって、3つのタイプに分けられます。まず、それぞれの特徴と、メリット・デメリットを解説しましょう。
全期間固定金利型
1タイプ目は「全期間固定金利型」住宅ローン。
金利は、申込時の利率が完済まで固定されます。
メリットとデメリットは、以下の通り。
メリット | デメリット |
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金利が変動しないため、返済金額が見通しやすい。 社会情勢で金利が上昇しても、ローンの金利は変わらない。 | 他のローンに比べて利率が高く設定されることが多い。 世の中の金利が下がっても、ローンの金利は固定。 |
最初に金利が決まるので、借りるタイミングが重要になります。
変動金利型
2タイプ目は「変動金利型」住宅ローンで、半年ごとに金利が見直されるのが特徴です。
メリットとデメリットは以下の通り。
メリット | デメリット |
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最も低い利率で借り入れられる。 | 社会情勢によって金利が上がると、ローンの金利も上昇し、返済額が増加する。 将来的な返済額の見通しが立てにくい。 |
他のローンに比べて金利が低いため、金融機関や不動産会社が勧めることが多いのがこのタイプ。超低金利が続く昨今は、住宅ローンを申し込む人のうち6割以上は「変動金利型」だという集計もあります。
固定金利選択型
最後は「固定金利選択型」住宅ローンです。1年、3年、5年、10年、20年等、選んだ期間は固定金利で、期間終了後は固定金利型か変動金利型か選べるのが特徴です。
メリットとデメリットは以下の通り。
メリット | デメリット |
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一定期間は金利が固定なので返済額が安定する。 | 固定期間が長いほど、金利は高く設定される。 将来的な返済額の見通しが立てにくい。 |
自分が選んだ期間は金利が固定、つまり返済額が安定します。子どもが成人するまでは支払額が安定する固定金利型にしておき、独立したら金利が低くなる可能性がある変動金利型に変えるなど、ライフスタイルに合わせて返済をコントロールしやすいのがこのタイプです。
自分に合った金利タイプを選ぶ方法
住宅ローンには3つのタイプがあることが分かりました。では、自分にはどれが合っているのでしょうか。
ここからは住宅ローンの返済負担を計算しながら、無理のない住宅ローンを選ぶ方法を解説します。
金利決定の基準、住宅ローンの年収負担率とは
はじめに、どの金利タイプの住宅ローンを申し込むのか決めなければなりません。金利タイプ決定の基準になるのが、「年収負担率」という指標です。
年収負担率とは、住宅ローンの返済がその人の年収に対してどれくらい『負担』になるかを示す数値のこと。
年収負担率が低いほど返済の負担は軽く、高いほど負担は重くなる、ということです。
目安として、「10%台」と「25%」という数値を押さえておいてください。
年収負担率の計算結果が10%台であれば、「変動金利型」がおすすめ。収入に余裕があるため、金利が多少上がっても対応しやすいからです。
一方、年収負担率が25%に近い場合は「固定金利型」が良いでしょう。返済額が一定なので、安定的に返せるはずです。
年収負担率ごとのおすすめ金利タイプは、次の項目で詳しく解説します。
年収負担率を計算してみよう!
それでは、あなたの年収負担率を実際に計算してみましょう!年収負担率は、次の2STEPで算出できます。
★ STEP1:月の返済額を算出 住宅ローンの借入額 ÷ 100万円 × 100万円あたりの毎月の返済額 = 月の返済額【A】 ※ 「住宅ローンの借入額」とは、金融機関から借りようと思っている額のこと。 ※ 「100万円あたりの毎月の返済額」は、後述する表から数値を入れてください。 |
★ STEP2:年収負担率額を算出 (年間返済額+継続的費用)÷ 税込年収 × 100 =年収負担率(%) ※ 「年間返済額」は、STEP1の【A】月の返済額に12を掛けます。 ※ 「継続的費用」とは、固定資産税や修繕費など持続的にかかる費用を指します。 ※ 「税込年収」とは、給与所得者なら天引き前の金額のことです。 |
◎STEP1で使用「100万円借りた場合の毎月の返済額」一覧表
返済期間 | ||||
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金利 | 20年 | 25年 | 30年 | 35年 |
1.00% | 4,598円 | 3,768円 | 3,216円 | 2,822円 |
1.10% | 4,643円 | 3,814円 | 3,262円 | 2,869円 |
1.20% | 4,688円 | 3,859円 | 3,309円 | 2,917円 |
1.30% | 4,734円 | 3,906円 | 3,356円 | 2,964円 |
1.40% | 4,779円 | 3,952円 | 3,403円 | 3,013円 |
1.50% | 4,825円 | 3,999円 | 3,451円 | 3,061円 |
1.60% | 4,871円 | 4,064円 | 3,499円 | 3,111円 |
実際の例でシミュレーションしてみます
たとえば、税込年収500万円の人が、1000万円を借りた場合をシミュレーションしてみましょう。住宅ローンの返済期間は35年、金利は表中で最も高い1.60%の場合を想定します。
★STEP1より、 住宅ローンの借入額(1000万円) ÷ 100万円 × 100万円あたりの毎月の返済額(3,111円) = 月の返済額【A】は31,110円 ★STEP2より、 「年間返済額」・・・【A】×12か月=373,320円 「継続的費用」・・・修繕費・固定資産税それぞれ月1万円ずつ、計2万円を積み立てるとして、年間で24万円 以上より、 (年間返済額 373,320円+継続的費用240,000:合計613,320円)÷ 税込年収 500万円 × 100 =年収負担率 12.26(%) |
つまり、「税込年収500万円の人が、返済期間35年・金利1.60%で1000万円を借りた」場合の年収負担率は、12.26% だとわかりました。
年収負担率と金利タイプを組み合わせて考える
年収負担率が算出できると、おすすめの金利タイプが分かります。
★年収負担率が25%に近い場合は、「全期間固定金利型」がおすすめ 年収負担率が25%に近いということは、希望額の住宅ローンを組んだときに家計に余裕がなくなるかもしれません。 将来金利が上昇し、返済額が増えると一層家計が厳しくなることも。 家計を赤字にしないためにも、住宅ローンの返済額が安定する「全期間固定金利型」が良いでしょう。 全期間固定金利型は住宅ローン申込時に毎月の返済額や、返済総額が把握できるため、返済計画が見通しやすい点もメリットです。 |
★ 年収負担率が10%台なら、「変動金利型」がおすすめ 年収負担率10%台は、家計にある程度の余裕があることを意味します。 他の金利タイプよりも利率が低く、借入当初の返済額をおさえることができる「変動金利型」を検討してみましょう。 金利が下がれば、それにともない月々の返済額も下がります。逆に金利が上がると返済額もアップするため、家計にゆとりがある人に向いているのがこのタイプです。 |
★ 年収負担率が20~25%、かつ子どもが中学生以上なら「固定金利選択型」がおすすめ いまは子どもの教育費がかかるから返済額が安定する固定金利で、子どもの卒業に合わせて金利変動の恩恵を受けられる変動金利に、と途中で金利タイプを変えられるのが「固定金利選択型」です。 また将来的に収入アップが見込める人も、このタイプが良いでしょう。収入にゆとりが生まれると、金利変動にともなう毎月の返済額変更にも対応しやすくなるためです。 |
とはいえ、金利の動きは予測不可能です。「超低金利はいつか終わる」と言われてから10年が経ち、さらに金利は下がり続けています。
一方、たった1%でも上昇すると、総返済額が数百万円変わることもあるのが金利の怖さ。
住宅ローンを選ぶ際は、金利だけに目が行きがちですが、自分の収入に対してどれくらいの負担になるのか(年収負担率)、将来的なマネープランはどうなりそうかなど、総合的な視点から判断することが大切です。
ローンは返済期間が長いほど、利息はかさむ
住宅ローンでもう1つ押さえておきたいのが、「返済期間」です。「住宅ローン=35年」というイメージもありますが、必ず35年で組まないといけないというわけではありません。
返済期間が長いということは、それだけ支払う利息は多くなり、総返済額もアップするということ。返済期間が10年延びれば、返済額が100万円以上アップすることもあります。
「住宅ローン=35年」という固定観念にとらわれず、可能ならば返済期間は短く設定した方がお得です。
またローンは「繰り上げ返済」「借り換え」などのメンテナンスをすることで、総返済額を減らすことも可能。負担をなるべく減らせる方法を検討してみましょう。
住宅ローンを申し込む金融機関の選び方
希望の金利タイプが決まったら、次は住宅ローンを申し込む金融機関選びになります。この時、「普段使っているから」といった理由で”いつもの銀行”を選ぶのはNG。
金利は金融機関によって異なることが多く、A銀行とB銀行で総返済額に数百万円の差が出ることもあるからです。
住宅ローンで損をしないための、金融機関の選び方を解説します。
銀行によって「得意な金利タイプ」がある!
住宅ローンには「変動金利型」「固定金利選択型」「全期間固定金利型」の3タイプがありました。銀行によって得意なタイプ、つまりどのタイプならどの銀行で申し込むのがお得か、という違いがあります。
たとえば大手の「みずほ銀行」は、固定金利選択型の適用期間が「2年/3年/5年/7年/10年/15年/20年」と細かく分かれているのが特徴。数年後にライフプランが変わる予定がある、という人には嬉しいですね。
一方、ネット銀行は金利の低さに特徴があります。たとえば「楽天銀行」は、保証会社を通さないため保証料がかからず、返済額をおさえることが可能(※「保証料」については、後ほど解説します)。繰上返済をした時の手数料もかからないなど、都市銀行や地方銀行にはないメリットがあります。
申し込みたい金利タイプが決まったら、複数の金融機関で返済シミュレーションを出してもらうのがおすすめです。
金融機関の決定は「総支払額」を見てから
住宅ローンは、「元本+利息」以外にも支払わないといけない費用がさまざまあります。諸費用の額も金融機関によって異なるため、すべてを含んだ「総支払額」を見て決めると失敗しません。
一見、金利が低く見えても、事務手数料や保証料、団体信用生命保険料などを加算したら、結局高くついた……、というケースもあるので、金利ばかりに目を奪われないよう注意しましょう。
諸費用には、たとえば次のようなものがあります。
保証料
保証料とは、ローン返済が滞ったときに、保証会社が一時的に支払いを行えるように、保証会社におさめるお金のことです。
保証料が不要な住宅ローンもあります。
団体信用生命保険
団体信用生命保険とは、ローン契約者が死亡したなど、その後の支払いが困難になったときに、ローン残高に相当する保険金が支払われるという保険です。民間金融機関には、団体信用生命保険の加入が義務付けられています。
また保険料の支払いは毎年、その時点での残高に応じて金額が決まります。
事務手数料
事務手数料とは「住宅ローンの申し込み手続きの報酬」として、金融機関に支払う費用のこと。都市銀行では3万円程度、ネット銀行では借入金額×2.2%程度が相場です。
住宅ローンを申し込む窓口はどこがいい?
お得な住宅ローンを申し込むには、申込窓口の選び方にも気を付けましょう。
住宅ローンを選ぶ際によくある失敗は、「勧められるままに決めてしまう」というもの。いくつもの住宅ローンや金融機関を比較するのは確かに手間ですが、結果的に数百万円の差になることもある大切なプロセスです。
住宅ローンの申込に使われやすい窓口を3つ取り上げ、それぞれのメリット・デメリットを比較していきます。
不動産会社の提携金融機関
不動産会社は金融機関と提携し、住宅ローンの申込をしていることがあります。土地を契約した流れで手続きができる簡便さ、自分で金融機関を探さなくて良い利便性がメリットですね。
一方、優遇金利があっても、比較的高めのことも。
また提携した金融機関でしか申し込めず、選択肢が狭まる点もデメリットかもしれません。
自分で銀行に直接申し込む
都銀・地銀などに直接申し込むという方法もあります。
自分がいくらのローンを組めるか単刀直入に知ることができる点や、最もお得なプランを相談できる点はメリット。
一方で、いくつもの銀行を比較し、自分で選ばないといけない手間がかかる点をわずらわしく感じる人もいるかもしれません。
ネット銀行に直接申し込む
ネット銀行は、ローン審査から申込までオンラインで簡潔するスタイルの銀行です。手軽でお得なプランが多く、金利も低いことが多いのがメリットでしょう。
ただし、やりとりはすべてインターネットを介するため、対面での相談はできません。審査のハードルが高い場合があるのもデメリットと言えそうです。
★ 木のんホームでも住宅ローンのご相談を承っています! 住宅ローンは、「借りられる額」より「安心して返せる額」であることが大切。 私たち木のんホームでも、お金のご相談を承ります。お客様のライフプランや将来の希望などを詳しくお聞きし、数多くある住宅ローンからピッタリの1つをご提案します。 また理想の設計をご予算内で叶えるプラン提示ができるのも、私たち木のんホームならではの強み! ぜひ一度、お気軽にお声がけくださいね。 |
まとめ
住宅ローンの種類や決める際の指標になる「年収負担率」、またおすすめの金利タイプや忘れられやすい諸経費についてまとめてきました。
住宅ローンは「自分に合っていること」が何より大切です。ご家庭ごとに合うローンは異なりますし、人生でお金がかかるのは住宅ローンだけではありません。
教育費、介護費、車、修繕など、さまざまな出費を想定し、身の丈に合ったローンを組むようにしましょう。