「マイホームは憧れだけど、掃除がいまより大変になったら困る」
「共働きで家事を分担しているから、それぞれにとって使いやすい間取りにしたい」
など、共働きだからこそ、家づくりで悩むポイントもあります。
共働きの家づくりの成否は、「いかに家事効率を上げる間取りをつくれるか」にかかっているともいえます。家族の数だけやり方があり、やり方の数だけ最適な間取りも変わります。
とはいえ、どの共働き家庭にもある程度共通する「便利な間取り」は存在します。
この記事では、地域に根差した注文住宅を40年以上つくりつづけている木のんホームが、「共働きが暮らしやすい間取り」を解説します。
共働きならではの都合や悩みを解決し、家族みんなにとって暮らしやすい間取りを見つけるヒントにしてください。
ここは間取りに反映させたい!共働き生活の特徴
間取りは、生活スタイルに合わせて決めるのが成功のコツです。生活スタイルは家族ごとに異なるため、最適な間取りも家族によって変わります。
ある人に合う間取りが別の人にも合うとは限らないのは、そのためです。
間取りを考える前に、普段の生活スタイルを振り返ってみましょう。共働きライフの特徴を踏まえた間取りを決めやすくなります。
共働きならではの生活の特徴を整理します。
出勤前&帰宅後が慌ただしい
共働きの多くは、出勤前と帰宅後が慌ただしくなります。お子さんがいれば、忙しさに拍車がかかるでしょう。
- 身支度のタイミングがかぶる
- 洗濯ものを干す時間がない
- 朝食後の食器を片づける手間がない
- 子どもの準備が進まない
こうした「慌ただしさ」のストレスを、間取りで解消できないか考えてみましょう。
家事はまとめて休日に
平日が忙しい共働きは、「シーツを洗う」「家全体を掃除する」など、手間のかかる家事は休日にまとめてやるケースも多いはずです。
しかし、せっかくの休日、子どもと過ごす時間や一人でゆっくりする時間も確保したいと思うのは自然なことです。
実は間取りの工夫で、休日の家事効率を上げることも可能です。具体的なアイディアは次の章で解説しています。このまま続きをご覧ください。
生活リズム
仕事によっては、生活リズムが合わない場合もあります。自分は朝から夕方まで仕事に行くが、パートナーは午後から夜まで仕事に行く、といったケースが該当します。3交代制やシフト制などの場合も、生活リズムのズレが大きくなります。
生活リズムが同じでないため、お互いの生活音が気になる家族も多いのではないでしょうか。「寝たいのに、パートナーが入浴する音が気になる」「相手を起こさないように気を遣う」という人も少なくないようです。
生活リズムが合わないストレスも、間取りの工夫で解決しましょう。
共働きライフの特徴を踏まえた間取りのポイント6つ
忙しい共働き夫婦には、「効率の良い間取り」がおすすめです。できるだけ無駄を省き、手早く動き回れる間取りを考えましょう。
共働き夫婦にぜひ取り入れてほしい間取りのアイディアを、6つ紹介します。
(1) キッチンの通路は「100cm」を確保する
狭いキッチンは動きにくく、家事効率を下げます。また2人がぶつからずにすれ違える通路幅は、ストレスフリーなキッチンに欠かせません。
キッチンの通路幅は最低でも90cm、できれば100~110cmを確保しましょう。
100cmあると2人が余裕ですれ違えるほか、食洗機とカップボードを同時に引き出してもぶつかりません。「食洗機からカップボードに直接しまえる」など、効率の良い家事が実現します。
ただし、キッチンの通路を広くすると、隣接するリビング・ダイニングが狭くなる場合があります。通路幅を決める際は、全体のバランスも考慮しましょう。
(2) キッチン・リビング・水回りを回遊動線にしても◎
「回遊動線」はいま人気の間取りで、家の中に“行き止まり”を作らず、ぐるりと回れるようにした動線設計です。
キッチンやリビングを起点にパントリーやファミリークローゼット、水回り、玄関などをつなげます。移動がスムーズになり、家事効率が上がる点がメリットです。
また「キッチンで料理をしながら洗濯機を回す」「洗濯機を回しながらクローゼットを片づける」など、ながら作業がしやすいのもおすすめポイント!
ただし、回遊動線には移動のための通路スペースが必要です。通路に床面積をとられ、居室が狭くなる可能性がある点は押さえておきましょう。
(3) 生活リズムを踏まえて別寝室も検討する
パートナーとの生活リズムが異なる共働き夫婦は、寝室を別にするのもおすすめです。気配で相手を起こしてしまう心配もなく、ゆっくり休めます。
寝室のレイアウトを決める際は、それぞれの生活リズムと以下の位置関係を考慮します。
- 階段
- お風呂
- トイレ
階段を上り下りする音や水の音は、意外と気になるものです。また互いの音が気になる場合は、居室のあいだにクローゼットを配置してみてください。クローゼットの空間が、音を吸収してくれます。
(4) トイレは2か所がおすすめ
1階と2階、それぞれにトイレを配置する間取りも人気です。朝や帰宅後など、トイレのタイミングがかぶりやすい共働きでも、気兼ねなく用を足せます。
2か所のトイレは、できるだけ垂直に近い位置に配置してください。トイレが垂直に並んでいると配管が短くて済むため、施工費用の減額にもつながります。
(5) リビングは快適性を最優先に
忙しい共働き夫婦が、ふっとくつろげるリビングは「快適に過ごせること」を重視して間取りを決めましょう。
快適なリビングを作るアイディアを紹介します。
- 大開口部からウッドデッキをつなげ、セカンドリビングとして活用
- 吹き抜けをつくり、抜群の開放感を確保
- あえて窓のない壁面をつくり、インテリアを楽しむ
- 無垢やフロアタイルなど、床材にこだわる
全館空調システムを導入すると、広く天井の高いリビングでも寒暖差を感じず快適に過ごせます。
(6) 収納の位置・大きさは使いやすさを考えて
収納は多ければ良いわけでもないのが、難しいポイントです。生活動線を考え、「必要な場所に・必要な大きさの収納」を作るよう意識しましょう。
最近人気の収納スタイルは、次の2つです。
- ファミリークローゼット:家族全員の衣類を1か所にまとめる。洗濯スペースに隣接させ、すぐに片づけられるようにした間取りが人気。
- シューズインクローク:玄関に隣接した土間収納。家族全員の靴やお子さんの外遊び道具、ガーデニング用品なども片づけられる。
散らかりやすいリビングに配置した「リビング収納」や、まとめ買いした食材を保管できる「パントリー」も人気があります。
共働き夫婦に絶対おすすめ!住宅設備&家電6選
高性能な住宅設備・家電は家事の時短と効率化に欠かせない存在です。間取りと同時に配置も考え、スッキリ収まるよう工夫しましょう。
共働きにおすすめの住宅設備・家電と、取り入れたい間取りのアイディアを6つ紹介します。
(1) ロボット掃除機
掃除の手間が大幅に軽減できるロボット掃除機は、お手頃機種から高機能機種まで多彩なラインナップから選べます。近年は「掃除機機能+水拭き機能」が一体になったロボット掃除機も注目を集めています。
必要な機能や予算と照らし合わせ、お試し感覚で取り入れてみても良いでしょう。
おすすめのロボット掃除機は、次の5つです。
◎ ロボット掃除機の人気メーカー5選
- iRobot「ルンバ」
- パナソニック「RULO」
- ダイソン「360Eye」
- 日立「minimaru」
- ECOVACS「DEEBOT」
間取りを考える際は、ぜひ「ロボット掃除機の基地」を作ってあげてください。クローゼットやパントリーの中など、目立たない場所に居場所を作るとインテリアがスッキリします。
ロボット掃除機の基地には、コンセントも忘れずにつけておきましょう。
(2) 深型食洗機
「一度使うと、便利さから手放せなくなる」とまでいわれるのが、食器洗い乾燥機(食洗機)です。
キッチンを作る際に、ビルトイン型の食洗機をつけるのがおすすめ。シンクから近い位置に配置されるため、お皿をどんどん入れられます。
ビルトイン型の食洗機には「浅型」「深型」の2タイプがあります。浅型の方が低価格ですが、入れられる容量は少なめです。4人家族以上や大きなお鍋もよく使う人は、深型を検討してみましょう。
ハウスメーカーの標準設備は「浅型」の場合が多く、深型はオプション扱いとなります。
食洗機メーカーの人気は、国内・海外で二分されます。導入時だけでなく、アフターメンテナンスのことも踏まえて決定しましょう。
◎ 食洗機の人気メーカー5選
- パナソニック
- 三菱
- リンナイ
- ミーレ(海外)
- ボッシュ(海外)
(3) ドラム型洗濯機・室内物干し場
急に雨が降ってきても、洗濯物を取り込みに戻れない共働きには、乾燥機能つきのドラム型洗濯機がおすすめです。朝、洗濯ものをいれて回しておけば、夕方にはふかふかに乾いた状態で衣類が取り出せます。
電気代が気になる場合は、ガス乾燥機を検討しても良いでしょう。
また洗濯機から取り出した洗濯物をその場で仕分けられる「ランドリースペース」も人気の間取りです。ランドリースペースの天井に室内物干し場を作れば、洗濯動線がほんの数歩で完結します。
ランドリースペースにクローゼットを隣接させると「洗う→干す→畳む→しまう」を1か所に集約でき、洗濯効率がグンとアップします。
(4) スロップシンク
スロップシンクとは、掃除用の大型シンクです。底が深く、さまざまな用途に利用できます。
◎ スロップシンクの用途
- 洗濯物のつけおき洗い
- 汚れた靴の洗濯
- 園芸用具の洗浄
- ペットのシャンプー、足洗い
バルコニーや屋外に設置するほか、ランドリールームに作るのも人気です。そのまま洗濯機に入れるのはためらわれる汚れた衣類や、ペット用ベッドのカバーなどを洗うのに重宝します。
スロップシンクを設置する際は、用途に合わせたサイズを選ぶことが大切です。またお湯が出るようにしておくと、洗濯やペットのシャンプーにも役立ちます。
(5) タンクレストイレ
「掃除する場所が減る」「掃除しやすい」などの理由で、タンクレストイレも共働き家庭に人気です。
タンクレストイレはつくりがシンプルで、タンクが掃除の邪魔になることもありません。
またスッキリした見た目も、スタイリッシュだと好まれる理由です。タンクがない分サイズもコンパクトにおさまり、小さな空間も広く使えます。
ただしタンクレストイレは、タンクがあるトイレよりコストが高くなります。また水をリモコンで流すため、停電時は使えません。
それでも時短家事を目指す共働き夫婦にはおすすめしたいトイレです。
(6) お風呂自動洗浄
最新のお風呂には、「自動洗浄機能」がついているモデルがあります。
お風呂の自動洗浄とは、文字通り自動で洗浄と除菌をしてくれる機能です。入浴後にさっと流すことで、毎日のお風呂掃除の負担を軽くしてくれます。
スマホアプリとの連動で外出先からも操作できるなど、スマート設備としても人気があります。
◎ 自動洗浄機能付きお風呂モデル
- TOTO(SYNLA、sazana)
- LIXIL(スパージュ)
- トクラス(YUNO、every)
自動洗浄の機能はメーカーやモデルによって異なります。各社の特徴を比較し、生活スタイルに合ったお風呂を導入してみてください。
共働きに最適な間取りをご提案します!鹿児島の注文住宅なら木のんホームへ
共働き家庭の家づくりなら、木のんホームにご相談ください。
木のんホームは鹿児島に根付いて40年以上、鹿児島の人にとって暮らしやすい家をつくりつづけてきました。
高性能・高断熱な家を建てることはもちろん、設計は建築家が担当しています。
建築家が設計するメリットはなんでしょうか?
それは、施主様の希望を細かな点まで実現できることです。仕様や建材が決まっているハウスメーカーにはできない、理想をかたちにした家作りをお手伝いします。
「共働きで忙しい」「できるだけ効率的な動線を実現したい」など、希望をなんでもお聞かせください。ご家族の暮らしに最適な間取りを、一緒に考えていきましょう。
まとめ
共働きの家づくりは、「おうち時間の効率化」にかかっていると言っても過言ではありません。慌ただしい朝、バタバタの夕方を毎日乗り越えるために、効率化と時短をどんどん取り入れていきましょう。
効率化と時短を実現するコツは、「間取りの工夫」「高性能設備・家電の導入」です。回遊動線やランドリースペース、ロボット掃除機、食洗機などはすぐに効率化・時短ができる方法です。
また、家族一人ひとりが暮らしやすい間取りを考えることも大切です。生活時間の違いや休日の過ごし方の違いなど、家族それぞれのあり方を尊重できる家を考えてみましょう。