ペットと幸せに暮らす家のつくり方|注文住宅で人にも動物にもやさしい家を

家のすみずみまで希望を反映できる注文住宅は、住む人だけでなく大切なペットにとっても暮らしやすい家を実現できます。
これは「仕様が決まっている建売住宅」「賃貸物件」では叶わないメリットです。

今回の記事では、注文住宅だからできるペットにもうれしい家の工夫を解説します。また実際にあった失敗談と回避策もたっぷり紹介します。

“うちの子” “この子”との暮らしは、一度きりです。かけがえのないペットとの生活をもっと充実させるために、注文住宅で「理想のペットライフ」を完成させましょう。

人もペットも暮らしやすい住宅のポイント3つ

人もペットも暮らしやすい住宅のポイント3つ

人とペットのどちらかがストレスを感じる環境では、せっかくの注文住宅ライフを満喫できません。
はじめに、人にもペットにもやさしい家づくりのポイントを3つ解説します。

(1) 随所に安全性を高める工夫を

家の中でペットを飼うケースが増えているいま、安全性はまず確認したいポイントです。お留守番のときも心配なく任せられるように、以下をチェックしましょう。

  • 家の外に飛び出せる場所はないか
  • ペットが届く範囲に危険はないか
  • 階段から滑り落ちる危険はないか

ペットゲートや滑り止めマットなどを使えば、住宅の完成後でも安全対策を施せます。しかしせっかくの注文住宅です。設計の段階からペットの毎日を想定し、考えられる対策をしておきましょう。

またペットにとって安全な家は、小さなお子さんやお年寄りにとっての安心度も高まります。

(2) 毎日の生活がスムーズに進む動線設計を

散歩やトイレ、食事など、ペットとの生活には日々欠かせないルーティンが発生します。1日の流れをイメージし、ペットのお世話をできるだけスムーズにできる動線を考えましょう。

とくに犬との暮らしでは「散歩後の足洗いをどうするか」という問題がつきまといます。「玄関の脇に犬用の足洗いシンクをつくる」「犬専用の出入口をつくり、足ふき場をつくる」といった工夫も、注文住宅なら思いのままです。

(3) ペットの習性や性格に合わせた設備を

動物には、その種類固有の習性があります。またペットの個体によっても、性格は異なります。習性や性格に合った設備をつくってあげると、ペットがもっと安心して過ごせる家になるでしょう。

習性や性格を考慮せずに家を建てると動物にとって必要な場所がなく、ストレスから壁を破壊したり逃げ出したりすることもあります。また後からグッズを設置すると「モノが増える」「スペースが狭くなる」と人にとってのストレスになりかねません。

必要な設備をあらかじめ入れておくと、人とペットが共に暮らしやすい家になります。

犬におすすめ!注文住宅だからできるアイディア5選

犬におすすめ!注文住宅だからできるアイディア5選

「営業マンは契約をとるのが仕事」という前提を押さえておきましょう。

犬は一般的に、次の傾向があります。

  • 家の中でも運動したい
  • 運動したら休みたい
  • 外への興味が強い
  • 毎日散歩に行きたい

そんな元気な犬が暮らしやすい家にするには、どのような工夫をすれば良いでしょうか?
犬が暮らしやすい家づくりのアイディアを、厳選して5つ紹介します。

足腰に負担がかからない床材

足腰に負担がかからない床材
画像:ラシッサ Sフロア・ラシッサ Dフロア耐水・ペット|LIXIL

犬の足は、外を走り回るのに適したつくりです。肉球のあいだにも毛がしっかり生えており、フローリングの上ではツルツル滑ってしまいます。

滑る床を移動しようと必要以上に踏ん張ることは、犬の足腰にとって過大な負担です。

滑りにくくするためにフローリングにカーペットやジョイントマットを敷く人もいますが、せっかくの注文住宅です。「床材を素足で感じたい」「床材の美しさを隠したくない」と思う人も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、ペット向けの床材です。

ペット向けの床材には、ペットが滑りにくい加工がされています。
水や湿気に強く、優れた耐アンモニア性を持つ床材もあります。「水をこぼした」「粗相をした」ときの人のストレスも軽減してくれるのも嬉しいポイントです。

思いっきり動き回れる大空間

元気な犬は、家の中でも走り回ります。リビングを中心に犬が走れる大空間を確保した間取りはいかがでしょうか。
リビングにテラスを併設すると、犬と一緒に気軽に外に出られます。外の空気を感じられ、犬の快適性もアップするでしょう。

犬が室内で伸び伸び走り回るためには、できるだけ床にモノを置かない生活を心がけることが大切です。収納や家具の配置を工夫し、シンプルスッキリな暮らしを目指してください。

床にモノが少ないと、ロボット掃除機が活躍できるというメリットもついてきます。とくに換毛期は人の手による掃除ではおいつかないほど、床に毛がたまります。

床にモノがない大空間とロボット掃除機があれば、常にキレイな室内で犬との生活を楽しめるようになります。

ゆっくり休める専用スペース

多くの犬は、狭くて暗い場所を好みます。その昔、穴倉で暮らしていた習性が残っているからというのが理由のようです。

そんな犬のために、家の一角に安心して過ごせる専用スペースをつくってあげましょう。

リビング階段の下部や収納の下部をくりぬき、犬が入れるスペースを確保します。中に犬のベッドやおもちゃを置けば、落ち着いて過ごせるマイホームの完成です。

入り口にペットゲートを設置しておけば、来客時などの飛び出しを防げます。

外が見晴らせる窓

犬には縄張り意識があり、家の外に対する興味や警戒心を強く持つ個体もいます。

一方で、近年の住宅は気密性を高めるため、窓をできるだけ少なくする傾向があります。「外が見える窓は掃き出し窓だけ」「ほかの窓はすべて人間の視線の高さ、犬からは見えない」家では、犬は外が見えずストレスを溜めてしまいます。

とくに犬から外が見える側に道路や公園など、音が出る場所がある場合は犬にとって「音が聞こえるのに見えない」状態となり、よりストレスが強まります。

ぜひ、家のあちらこちらに「外が見える窓」を作ってあげましょう。FIX窓(開閉しないはめ殺しの窓)なら、気密性を大きく低下させずに設置できます。

散歩後の足洗い用水栓

散歩後の足洗い用水栓
画像:ガーデンスペース 各種水栓金具一覧|LIXIL

散歩帰りの足洗いやシャンプーには、ペット用水栓がおすすめです。玄関の近くや庭に設置し、いつでも気軽に洗える環境を調えましょう。

一般的な水栓はいわゆる「水道の蛇口」だけがついていますが、ペット用に設置する場合はシャワー併設型が便利です。さらにお湯と水を切り替えられる混合水栓があれば、寒い日の散歩後に冷たい水で洗う必要もありません。

温水シャワーが使える屋外水栓は、お子さんの外遊びでも活躍してくれます。

猫におすすめ!注文住宅だから叶う仕様5選

猫におすすめ!注文住宅だから叶う仕様5選

猫は一般的に、次の傾向があります。

  • 高いところや狭い場所を好む
  • 日光浴が好き
  • 家中を移動する
  • 夜行性である

人との生活とプライベートとの両方を大切にしたい猫が暮らしやすい家にするには、どのような工夫をすれば良いでしょうか?
猫が暮らしやすい家づくりのアイディアを、厳選して5つ紹介します。

壁や天井にあこがれのキャットウォーク

「家を建てるなら大きなキャットウォークをつくりたい」と考える猫オーナーは多いはずです。

猫は垂直方向の運動が好きな動物です。注文住宅なら天井まで、壁一面など好きな場所にキャットウォークを設置できます。運動不足解消のためにも、猫が楽しめるキャットウォークをつくってあげましょう。

キャットウォークは、猫が乗っても十分耐えられる強度であることが大切です。また着地する場所の安全性も考慮しましょう。

壁にキャットウォークを造作する場合、壁内部の下地補強が必要になります。壁が完成してからの補強は難しいため、設計段階でキャットウォークを作りたい旨相談しておきましょう。

窓辺にくつろげる日光浴スペース

猫は日差しが入る、あたたかな場所での昼寝を好みます。日光の力でダニ駆除や殺菌をしている、また外が見える場所で休むのは、縄張りを見守る意味があるともいわれます。

日当たりの良い窓辺に、猫がゆっくり休める場所を確保しましょう。

床の上はいくら日当たりが良くても、人が移動する際に気になります。「大きな音がしない」「人が近くで動かない」条件をクリアした、安全な場所を検討しましょう。

出窓や縁側をつくっておくと猫が自然と集まり、ウトウトする姿がみられます。

クロスを守る爪とぎ柱

猫にとって爪とぎは欠かせない習性です。爪とぎには、つぎの理由があるといわれています。

  • マーキング(足の裏の「臭腺」から出るにおいをつけている)
  • 爪のメンテナンス(古い爪をはがし、新しいつめを露出させる)
  • ストレス解消(気持ちを落ち着かせる)

どれも猫の生活に大切な要素のため、無理にやめさせることはできません。
しかし新築、ピカピカのクロスで爪とぎをされても困ります。

そこで、家の中にあえて柱を存在させる間取りを検討しましょう。柱に麻縄や爪とぎシートを巻きつけ、爪とぎ専用の柱を作ってあげてください。

柱を爪とぎ場所として気に入ってくれれば、市販の爪とぎグッズを置く場所を削減できます。

換気扇付き・専用場所のトイレスペース

猫は狭い場所が大好きです。トイレも狭くて薄暗い場所に置くと、落ち着いて排泄できる個体が多いようです。

そこで階段下のデッドスペースや収納の下、人間用トイレの一角などにあらかじめ「猫トイレスペース」を確保しましょう。リビングの一角の壁を凹ませ、猫用スペースにするのもおすすめです。

間取り設計の段階で相談すれば、換気扇も設置できます。室内のにおい対策にもなり、一石二鳥です。
またトイレの近くに収納棚を造作しておけば、トイレ用の砂やペットシーツなど、お手入れグッズの置き場所としても重宝します。

自由に動き回れるキャットドア

猫は居心地の良い場所を探して、家中を動き回ります。また夜行性でもあるため、人間が寝静まった深夜に移動する個体も少なくありません。

「家に建具がない」「一日中、すべてのドアを開けっ放しにしている」といった家でない限り、猫が移動する度にドアをあけてあげる必要が出てきます。

「それは大変」と感じる人におすすめなのが、キャットドアです。ドアの下部に猫サイズの出入口がついたドアで、猫が自分で開けるようになっています。

外出から帰った際に困らないよう、玄関に設置できるタイプもあります。首輪についたセンサーで飼い猫かよその猫かを識別できる機能があれば、よその猫が侵入する心配もありません。

注文住宅は外構にもこだわりたい!ペットが喜ぶ外構のポイント4つ

注文住宅は外構にもこだわりたい!ペットが喜ぶ外構のポイント4つ

「室内もいいけれど、外で思いっきり遊ばせたい」、そんなときは外構もペット仕様にしましょう。
室内では手狭な中大型犬に、とくにおすすめの外構づくりアイディアを4つ紹介します。

人工芝で自宅ドッグラン

自宅の庭にドッグランがあれば、ノーリードで犬を遊ばせられます。

おすすめは人工芝でつくったドッグランです。

  • 天然芝:犬が掘りかえして傷めてしまう
  • 砂利:犬が掘ったときに石が散らばる
  • コンクリート:表面が硬く、走り回った際に身体に負担がかかる

人工芝は適度なクッション性で犬の足腰に優しく、お手入れも不要です。

消臭素材でオリジナルトイレ

庭で遊ぶ時に気になるのが「トイレ」です。尿のにおいは一度つくとなかなか消えず、近隣からの苦情にもつながりかねません。

そこで、庭の一角に消臭効果がある石をつかって、トイレをつくりましょう。レンガやブロックで囲み、中に消臭石材を敷き詰めます。男の子なら、ポールを立てておくのもおすすめです。

お庭の外を見通せるメッシュフェンス

お庭の外を見通せるメッシュフェンス
画像:門まわり・塀・フェンス|LIXIL

脱走防止のため、庭やドッグランはフェンスで囲みましょう。

メッシュでできたフェンスは丈夫な上に安価で、コスパに優れています。庭の外が見えるのもポイントです。隣家の人や道行く人を見たり、帰宅したご主人を迎えたりと、人間とのコミュニケーションがしやすく犬の好奇心を満たしてくれます。

ただし、他の犬や人に吠えるタイプなら外が見えない目隠しフェンスが合っているかもしれません。

またフェンスは地面に直接設置すると、犬が地面を掘って脱走するおそれがあります。化粧ブロックやコンクリートの上に設置するなど、地面を掘り返せない一工夫をしておきましょう。

ウッドデッキの下を土間コンにして隠れ家に

ウッドデッキをつくる場合は、デッキの下を土間コンにしてみてください。ひんやり涼しく、お気に入りの隠れ場所になるはずです。

ウッドデッキの下は落ち葉やゴミがたまりやすい場所です。掃除がしやすいのも、土間コンのメリットです。

建てる前に要チェック!ペットとの暮らし失敗談

建てる前に要チェック!ペットとの暮らし失敗談

実際にペットと暮らす人から「とほほ」「やられた」と言いたくなる失敗談を集めました。こだわりの注文住宅を建てる前に、ぜひ見てみてください。

同じ失敗を繰り返さないためのコツも紹介します。

歯の生え変わり期に柱や壁をかじられた(犬)

犬は生後4~6か月ごろから1歳くらいまで、歯が順に生え変わります。生え変わりにともなうムズムズ感を抑えるために、犬はさまざまなものを噛むようになります。

柱や壁を噛む犬も多く「新築の壁がボロボロに…」という事例は非常にたくさんあります。噛んだその場で注意できれば良いのですが、一日中犬を見張っているわけにもいかず、落ち着いてから修繕した、という声も聞かれました。

噛んでも良いおもちゃには興味を示さなかったうちの犬。
「家を傷められると修繕が大変。でも家具なら買い替えられる!」と割り切って、ダイニングテーブルや椅子の足は噛んで良いことにしました。
おかげで壁や柱は無事でした。テーブルや椅子の脚は悲惨ことになりましたが…。

激しく走り回り、無垢材の床が傷だらけに…(犬)

床材によっては、犬や猫が走り回っただけで傷がつくものがあります。とくに無垢材はやわらかく、簡単に爪の跡が残ってしまいます。

「無垢材の質感が好きで採用したが、こんなに傷がつくとは」と、犬を飼ったあとに気が付くオーナーも大勢います。ペットを飼うことが決まっている場合は、床材は慎重に選びましょう。

犬が来て数日、パイン材の無垢床の傷に気が付きました。犬の爪の形にあわせて、鋭く残るから目立つんですよね。それもあちこちに…。
仕方ないのでカーペットを敷きました。無垢材の床でゴロゴロするのが夢だったのに。

ハウスを脱走し、フローリングの上でおしっこされた(リクガメ)

爬虫類や両生類は、トイレのしつけが難しい生き物です。あるリグガメオーナーは、カメがケージから脱走し、大切なフローリングの上でおしっこをしているのを見つけたそうです。

たまたま耐水性の高いフローリングだったため染みにならずに済みましたが、においがとれずに苦労したそうです。

うちにもリクガメがいます。家の中を散歩させていて、私が少し外した隙に畳の上で用を足されました…。気付くのが遅れ、畳みにはシミが。
新しい畳だっただけに、ショックは大きかったです。

まとめ

人もペットも快適に暮らせる家を建てるには、アイディアが勝負です。既存の枠にとらわれず、本当に住む人と動物のことを考えて設計する必要があります。

細部にまでこだわりたいペットと暮らす家は、既成品・標準仕様を組み合わせて家を建てるハウスメーカーにはできません。要望を丁寧にお聞きし、形にできる「建築家が建てる注文住宅」を検討してみてください。

木のんホームは、鹿児島を中心にこだわりの家をお手頃価格で建てる工務店です。設計は人気の建築士が担当します。

ぜひ、ペットの種類や性格、理想の暮らしを私たちにお聞かせください。ワンちゃん・猫ちゃん、爬虫類、カメ、うさぎ、鳥…、どんなペットとも最高の毎日が遅れる家をご提案します。

この記事を書いた人

admin2021