寒い家は嫌!一軒家をもっと暖かくする方法、最重要な4つのポイントを解説

「寒い家は嫌」、誰もが納得の一言ではないでしょうか。

冬の朝、ベッドから出る瞬間。

洗面所やトイレのヒヤッとした空気。

エアコンを付けても暖まらないキッチン……

「もっと暖かい家に住みたい!」、う思うあなたのために、暖かい一軒家を建てる方法を解説します。

実は家は、ただ建てただけでは暖かくなりません。性能に注目し、暖かくする工夫を施すひと手間が大切です。

記事の最後には新居が建つまでの間、すぐにできる冷気遮断テクニックも紹介しました。

最後まで読み、一軒家を暖かくする秘訣を知ってください。

一軒家が寒くなりやすい理由

一軒家は、集合住宅にはない固有の事情によって寒くなりやすいといわれます。

一軒家が寒くなりやすい理由を3つ、解説します。

外気に触れる面積が大きい

集合住宅は、基本的に上下左右にも部屋があります。家が外気に触れる面積が少なく、周囲の家が断熱機能を果たしてくれるため寒くなりにくいです。

しかし一軒家は、家の四方が外気にさらされています。窓や壁、屋根から室内の暖かい空気が外に逃げてしまい、寒くなりやすいのです。

暖かい空気が2階にあつまりやすい

自然の摂理として、暖かい空気は上にのぼります。

基本的にワンフロアでつくられる集合住宅は、暖かい空気も居室内の天井付近に滞留します。サーキュレーターで室内の空気を循環させれば、すぐに室温が均一になります。

しかし2階や3階がある一軒家では、暖かい空気が2階・3階に流れてしまいます。仕切りのないリビング階段の家は、さらに顕著です。

結果的にリビングがいつまでも暖まらず、寒く感じやすくなるのです。

一軒家を暖かくするもっとも効率の良い方法は「窓」の性能アップ

家を暖かくするには「家から逃げる暖かい空気を最少に抑える」ことが大切です。そして家のなかの暖かい空気がもっとも逃げるのは「窓」だという事実はご存じでしょうか。

ここからは「一軒家の窓」に注目し、暖かい家にする方法を解説します。

もっとも暖かい空気が逃げるのは窓(開口部)

一軒家の暖まった空気は、窓(開口部)から逃げ出します。熱の出入りのうち、50%を窓が占めます。

引用:一番大切なのは、「窓」|YKK AP

ちなみに夏、暑い外気がもっとも家に入るのも窓からです。

引用:一番大切なのは、「窓」|YKK AP

一軒家を暖かくするには、窓の性能向上が近道です。窓の性能をあげると、“夏涼しい家”というおまけもついてきます。

暖かい家にするおすすめの窓

一軒家に「熱の出入りが少ない窓」を採用すると、室内の暖かさが格段にアップします。熱の移動を減らせる窓の種類を「窓枠」「ガラス」の2つの視点から見てみましょう。

ガラスは「トリプルガラス」がおすすめ

1枚に見える窓ガラスも、実はいくつか種類があります。

  • 単板ガラス:ガラスが1枚だけのシンプルなつくり
  • ペアガラス:2枚のガラスの間に空気の層をつくったガラス
  • トリプルガラス:3枚のガラスそれぞれの間に空気の層をつくったガラス

  • ペアガラス
  • トリプルガラス

引用:YKK AP

ペアガラスとトリプルガラスを総称して「複層ガラス」といいます。ガラスそのものが複数枚使われているという意味です。

ガラスの間の空気層が熱を遮断するため、ガラスの枚数が多いほど暖かい家になります。暖かい家にするためには単板よりペア、ペアよりトリプルがおすすめです。

複層ガラスと二重サッシのちがい

二重サッシは、サッシそのものを2つ取り付けた仕様です。
複層ガラスはサッシは1枚でも、付いているガラスが複数枚あることを表します。

窓枠(サッシ)は「樹脂製」がおすすめ

窓枠(サッシ)にも種類があります。

従来、日本ではコストの面からアルミ製のサッシが広く使われてきました。しかしアルミ製は金属のため外気を室内に伝えやすく、結露を引き起こすデメリットがあります。

暖かい一軒家にするには、樹脂製サッシの採用をおすすめします。

樹脂はアルミより熱伝導率が低く、暖まった空気を外に逃がさない効果があります。

【結論】暖かい一軒家にするには「トリプルガラス+樹脂サッシ」がおすすめ

家中を一定の室温に保てる「全館空調」ならさらに一軒家が暖かく

何もしなければ暖かい空気は上に溜まり、下は寒いままです。暖かい一軒家をつくるには「2階に溜まる暖かい空気」をなんとかしなければなりません。

おすすめは「全館空調」です。

家中の室温を均一にしてくれる全館空調について解説します。

全館空調とは

全館空調は、機械で家の中の空気を循環させ家全体の室温を調整する冷暖システムです。

部屋ごとに冷暖房器具を設置して室温を調整するのではなく、家全体で室温をコントロールします。常に家全体の空気が対流しているため「トイレや洗面所だけ寒い」といった悩みがありません。

全館空調の仕組み

全館空調はエアコンから排出される暖かい空気を、ダクトを通じて家中に届けます。そのため、全館空調の家は床や壁、天井など各所にエアコンからの空気が出る排出口が設置されています。

全館空調の種類

全館空調には4つのタイプがあります。

  • 天井吹き出しタイプ(天井内にダクト・吹き出し口を設置)
  • 床下冷暖房タイプ(基礎部分に冷暖気を蓄熱、床からの輻射熱と送風で冷暖)
  • 壁パネルからの輻射タイプ(壁に大型冷暖房パネルを設置)
  • 壁掛けエアコンタイプ(壁掛けエアコンと各部屋の採風場所により冷暖)

ハウスメーカーにより対応できるタイプが異なるため、詳しくはお問い合わせください。

全館空調のなかでも有名な「Z空調」は天井吹き出しタイプに該当します。

【結論】全館空調にすると家中を暖かく均一な温度にできる

もっと暖かい一軒家にするには「断熱材」にひと工夫

高性能な窓や全館空調を採用しても、壁や天井から暖気が逃げては暖かくなりません。暖かい一軒家は、高い断熱性能が必須です。

住宅の断熱性能について解説します。

断熱性能の指標「UA値」

家がどの程度断熱性能を持っているかは「UA値」という指標でわかります。

UA値とは「家からの熱の逃げやすさ」をあらわし、数値が小さいほど高断熱であることを示します。

国土交通省は住宅の省エネ基準をUA値を用いて定め、一定基準以上の住宅には補助金を出し住宅の高性能化を進めています。

<参考>
国土交通省によると、鹿児島では「0.87以下」がUA値の基準値です。工務店やハウスメーカーに問い合わせると、基準を満たした住宅を建てられるかどうか教えてもらえます。

施工方法から考える断熱

住宅の断熱性能は、断熱材の施工方法によってもかわります。

断熱材の施工方法には「外張り断熱」「充填断熱」の2種類があり、それぞれの特徴やメリット・デメリットは以下のとおりです。

外張り断熱

外張り断熱は、柱・梁の外側から断熱材で覆う工法です。

家をすっぽり断熱材で覆うため、断熱材の切れ目がありません。壁面が均一に暖かくなり、高い断熱性が期待できます。

ただし、施工費用がかさむ点がデメリットです。また断熱材がある面まで暖める必要があるため、屋根裏や壁の中まで暖める必要があり、熱効率がやや下がります。

充填断熱

充填断熱は柱や梁の間に断熱材を詰め込む工法です。広く普及しており、外張り断熱より低コストで施工できます。

ただし配管やコンセントボックスまでは断熱材で覆えないため、その部分から熱が逃げる可能性があります。また壁内で結露やカビを起こさないために気密性を高める必要があり、その工事にも手間がかかります。

素材から考える断熱

断熱性能は、断熱に使う素材によっても変わります。

一般的に使われている断熱材と、それぞれの特徴をまとめました。工務店・ハウスメーカーにより使っている断熱材が異なるため、詳しくは相談してみてください。

種類断熱材断熱材
無機繊維系グラスウール
ロックウール
  • 燃えにくい
  • 湿気対策が必要
木質繊維系セルロースファイバー
  • 高価格
  • 結露しにくい
天然素材系羊毛
  • 高価格
  • 防虫・調湿効果あり
発泡プラスチック系ポリスチレンフォーム
硬質ウレタンフォーム
フェノールフォーム
  • 断熱性が高い
  • 耐久性が高い

【結論】暖かい家にするには断熱材の「工法」「素材」が大切

一軒家を暖かくするには「気密性」も重要

高性能な窓、全館空調、断熱性を備えた家は完璧に暖かいように見えますが、もし隙間風がヒューヒュー入ってきたらどうでしょうか?暖かくなさそうですね。

暖かい一軒家には隙間風は不要です。

家の隙間をあらわす「気密性」について解説します。

気密性とは

住宅の気密性とは、家の隙間をどれだけなくし、外と室内の空気の出入りを少なくしているかをあらわします。

気密性の高い家は室内で暖められた空気が外に逃げにくく、冬でも快適に過ごせます。反対に気密性が低いと、いくら暖房を動かしても暖かい空気が外に逃げ、外から冷たい空気が入り込んでしまいます。

気密性の指標「C値」

断熱性能がUA値で表せるように、気密性も数値で表せます。

気密性を示す数値は「C値」といいます。家の大きさ(面積)に対する隙間の量を示し、数値が小さいほど気密性が高くなります。

一切気密を考えずに一般的な住宅を建てると、C値は10㎠/㎡程度といわれます。一方、高気密住宅は1㎠/㎡を切るレベルは必要です。

気密性は測定できる

住宅の気密性は実測できます。

高気密住宅を手掛けるハウスメーカーは、次の2つのタイミングで気密測定を実施することが多いようです。

  1. 中間気密測定:断熱工事完了後(壁の下地材を貼る前)
  2. 完成気密測定:物件完成後

中間気密測定で不具合があれば原因を特定し、修繕します。最終的なC値は、引き渡し時に施主に伝えられます。

【結論】C値が低いほど隙間風がない家になる

いますぐ一軒家を暖かくしたい!おすすめDIY方法

すでに家があり、「いますぐ暖かくしたい!」そんな場合に簡単にできる方法を4つ解説します。

どれも効果バツグンの方法です。材料はホームセンターで揃うものばかりなので、ぜひトライしてみてください。

窓からの空気の出入りを防ぐ

窓は、室内の暖かい空気を外に逃がす最大の場所です。また冷たい空気を室内に取り込む原因にもなっています。

まず窓からの空気の出入りを防ぎましょう。以下の方法を試してみてください。

  • 窓に断熱シートを貼る
  • プラダンを貼り空気の層をつくる
  • 内窓を設置する

石油ストーブを使う

エアコンやファンヒーターに比べて、石油ストーブは「しっかり暖まる」「じっくり暖かくなる」といわれます。

石油ストーブは音風ではなく、輻射熱でじんわり温めるためです。部屋全体が暖まり、冷えにくいのが特徴です。

停電など電力が使えないときでも暖をとれるため、一家に一台用意しておくのもおすすめです。

カーペット・ラグの下にアルミシートを敷く

床からの冷気を遮断するには、アルミシートがおすすめです。カーペットやラグの下に、断熱用のアルミシートを敷いてみてください。

アルミシートがない場合には、以下の物でも代用できます。

  • 大き目のプチプチ(緩衝材)
  • ダンボール
  • ジョイントマット

いずれも床と人とのあいだに空気の層をつくり、断熱効果を高めてくれます。

毛足の長いルームシューズや衣類を身に着ける

暖かく過ごすには服装も大切です。毛足の長いルームシューズや衣類を活用し、末端の冷えを防ぎましょう。暖房費をかけずに暖かく過ごせます。

昔ながらの半纏もおすすめです。

冬でも裸足で生活できる!暖かい家づくりなら「木のんホーム」にご相談ください

南国と思われがちな鹿児島も、冬になると冷えや寒さを感じます。

家の中が寒いと動くのが億劫になり、家事や仕事の効率が落ちると感じる人も多いのではないでしょうか。せっかく家で過ごす時間です。少しでも快適なものにするために、冬でも暖かい家づくりはとても大切です。

「鹿児島で暖かい家を建てたい」、その思いは私たち木のんホームにおまかせください。

鹿児島に密着して40年以上、この地域の風土を知り尽くした家を建ててきました。お子さんが冬でも裸足で走り回れる家、冬の朝もスッキリ起きられる家を実現します。

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まとめ

一軒家を暖かくするには、次の4つのポイントを重視することが大切です。

  • 高性能な窓
  • 全館空調
  • 高断熱
  • 高気密

ただし、すべてを最高性能にする必要はありません。お住まいの地域の気候に合わせ、必要な性能を必要な分だけ取り入れれば十分です。

ではどの程度のバランスが最適なのか?

ここから先は、ぜひ木のんホームにご相談ください。ご家族の希望やライフスタイルをお聞きしながら、予算に合わせて最適なプランをご提案します。

この記事を書いた人

admin2021